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自分のルーツを思い出してみた

 父は沖縄県宮古島、母は那覇、私は生まれも育ちも大阪。

 と、そういう話ではない。

 何故私が写真好きになったのかというルーツのことだ。実はよくある単純な話で、父親が写真の趣味を持っていたからだ。しかし、考えて見れば、兄にはそういう趣味はないし、私の息子にもない。唯一娘には似たところがある。環境が同じなのに、この違いは何なのだろうか。持って生まれたDNAの為せる技なんだろう。

 高校生の時に初めて激安の中古カメラ(当然だがフィルムカメラ)を買った。嬉しくてワクワクしながら、最初に撮ったのは近所の公園だった。
 現像してみるとまさかのシャッター故障で、画面の3分の1が露光されていなかった。何とも衝撃のデビューだった。あのときから半世紀に渡って、機材の故障はずっとトラウマだ。
 初めてカメラを買う人は、中古はやめた方がいい。将来の仕事を目指しているなら、更に強く新品を買うことを勧める。

 そんなトラウマを抱えながら、私が心惹かれたのは、アンセル・アダムスだ。自然の中にいることが好きな私には丁度いい写真。目指せアンセル・アダムス。全く届かなかったけれど、未だに憧れている。
 もっとも現実の仕事としての撮影とはかけ離れていたが、それはそれで、楽しさを見つける才能だけは、人には負けない自信がある。どんな撮影だってシャッターを切る瞬間は楽しい。

 ネットで検索すればたくさん見つかるが、手元にある彼の写真集を久しぶりに見た。モニターで見るのとはやはり違う。もちろん銀塩写真ではなくて印刷だけど、それでもモニターとは違うと感じる(個人の感想です)

 デジタルになってから、モニターで見ることが当たり前になっていて、普段は違和感などないが、私が9月に開催した個展で久しぶりに自分の写真のプリントを見た感動が忘れられない。

 アンセル・アダムスと銀塩写真の二つがきっと私のルーツだと思う。

※写真はイメージです。

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