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私、グレました33話


残りの人達はなんか怖くて最初の方は喋らなかった。

マホはみんなと仲良しみたいで楽しそうだった。

マホが好きな人はあの人か...と思いつつなんかヤバそうな人だった。

(薬やってそう...)これが第一印象だった。

そしてマホも私もどんどんお酒を飲まされた。

焼酎をめちゃくちゃ進められたけどひと口飲んで激マズだったから拒否し続けた。

マホはもうベロベロになっていた。

私は梅酒とかビールとかいろんな物を飲まされていよいよ身の危険を感じてきた。

第一印象の薬やってそうなマホの好きな人が近づいてきた。

(やばい。薬をやらされる。)話した事もないのに第一印象だけでそう思ってしまった。

そしてお父さんの言葉がよぎった。

「多少グレてもいいけど、人殺しと宗教とドラッグだけは絶対にやるな。自分の人生と家族や周りの人の人生も壊れる。」

この言葉はずっと言われ続いていた事。

ベロベロになる前にこの言葉がよぎって目が覚めた。

しかしマホは原付の後ろに乗らされどこかに連れて行かれてしまった。

私は達也さんに軽トラに乗せられそうになった。

「ちょっとホンマに吐きそう...恥ずかしいから遠くで待ってて」

そう言って軽トラから離れた。

逃げてさっさと帰ろうと思った。


待てよ。財布がない...

取られたのか。落としたのか。

飲んでた場所をひたすら探したけど見つからない。

絶対誰か持っとるじゃんと思いつつまた軽トラの方へ戻った。

「財布落としたかも...」と言うと達也さんが

「あ、ここにあるよ」と渡してくれた。

普通にお金も取られてなかった。

ちょっと疑いすぎたかな...達也さんだけがいい人に見える。

「ねぇ、マホは?どこ行ったん?」

「うーーーん。分からん。あいつらとも連絡取れん」

どうなってるのか心配すぎる...


つづく

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