私、グレました29話
受験の日が近づくにつれみんなの焦りと緊張が伝わってきた。
私は勉強なんて一切してないけど、なんとなくしてるフリだけはした。
家でも受験勉強してますよ〜な雰囲気を出してギャーギャー言われないようにした。
そして受験当日。
問題は案の定さっっっぱり分からなかったからほとんど勘で回答用紙を埋めた。
公立も私立も意味不明すぎてますますどーでも良くなった。
それよりも卒業したら何して遊ぼうか、どこで誰と遊ぼうか。
そんな事ばっかり考えていた。
だんだん遊ぶ友達も不良っぽいのが多くなってきた。
そんな不良達もとりあえず受験は受けてどっかしら受かっていた。
そして私が受けた公立高校の合格発表の日。
もちろん不合格。
同じく不合格になった友達が大泣きしていてもらい泣きしてしまった。
別に自分が不合格な事は悲しくなかったけど友達が落ちたのが悲しくなった。
頑張ってた子だったから。
私立の合格発表は担任から聞かされた。
順番に日替わりで名前を呼ばれるシステム。
同じおバカ高校を受けた仲良しグループのまなみが呼ばれた。
合否を聞いたまなみが飛び跳ねながらこっちに来て
「ともちゃん!!!受かったんだけど!!」
「えっ?!まじ?!おめでとう!!!すご!」
「まじでこれともちゃんも受かっててほしい!!同じ高校に通えるとか楽しみすぎ!」
今までは受験なんてどーでも良かったけど、まなみが受かった事で私も受かってて欲しいと初めて思った。
そして....私の名前が呼ばれた。
つづく
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