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手に汗握る。

最近、手汗が凄い。

子供の頃から、「あんたの手はペタペタしててなんかヤダねー」とおかんから精神的いじめを受けながら育ってきたが、それにしても最近、凄い。
毎日マウスを握らなければならない仕事に就いてしまったせいで、毎日実感させられる。
私のマウスはトラックボールマウスという、手は置いたまま、親指だけ動かせば操作出来る! という代物なのだが、いかんせん手のひらが長時間マウスから離れないため、その黒いボディの表面に、しとーっと手汗の雫が残るのである。

キーボード入力というのも良くない。自前のキーボードを買う買う詐欺しているので未だに会社支給のノートPCの下半分を叩いているのだが、両手とPCが触れている部分、母指球の反対側(小指球と言うらしい)の形に雫が残る。
そのため、隣の先輩に質問のために画面を見てもらう時は、マウスやキーボードから手を離す際に、できるだけそっと拭ってみるという、ささやかな抵抗を試みている。が、毎日隣の席にいる訳で、恐らくバレているだろうことは間違いない。

さて、長年手汗しっとりマンとして生きてきた身として、手汗への対策には毎日余念が無い私である。
手汗防止策として今のところ最も有効とされているのが、やはり冷水手洗いだ。
14時頃、お昼ご飯を食べて代謝が活性化しだすと、私は必ずトイレに立つ。
そして用を足したあと、冷水でよく手を洗うのだ。まずは石鹸でペタペタを落とし、洗い流しながらよく冷やす。仕上げにジェットタオルの冷風で乾かせば、キンキンハンドの出来上がり。しばらくサラサラハンドになるはず、という寸法である。

しかし、最近恋人に末端冷え性を移されてからというもの、キンキンなのにじっとりということがままあるのはどういう事だろう。
体の表面温度と発汗度は比例しないということを知った22の冬である。

ここ数日などは、逆に温水で手を洗ってあたためた方が手汗抑制できるのではという疑念さえ浮び、検証に勤しんでいるところである。
しかし、やはり代謝の問題なのか、出る時は出るし、出ない時はサラッサラだったりするため、検証はあまり進んではいない。

最近イボ治療のために皮膚科に何度か通院したのだが、ポスターで「手掌多汗症」などという文言を目にした。手のひらのことを「しゅしょう」などと呼んだのは初めてのことであり、多少面食らったのだが、つまり下記のようなことが書いてあった。

日常生活をする上で、さまざまな困りごとをもたらすほど手のひらから汗が出る症状を「手掌多汗症」といいます。
手掌多汗症は、手のひらにたくさん汗をかき、日常生活に大きく影響を及ぼします。

手掌多汗症とは|みんなの手の汗サイト|手汗のお悩み解決情報サイト|久光製薬
https://www.hisamitsu.co.jp/tenoase/palmar-hyperhidrosis/

なるほど、まさにこれであった。
詳しく調べてみると、日本人の5%が当てはまるだの、子供に多くて歳を取れば治るだの、日帰り手術で完治するだの、眉唾の情報が出るわ出るわ。
確かに、滴り落ちるほどの重症患者でないとはいえ、多少なりとも日常生活に支障をきたしているのだし、私もこれに当てはまるんだろうか。
かと言って手術は怖いし、手に得体の知れぬクリームを塗って仕事するのも気が引ける。
まあ、そのうち近所の皮膚科の、あの無駄に爽やかな先生に相談してみてもいいかもしれないな、と思った22の冬の夜であった。

そうして私は、今日も手に汗握りながら職務に勤しむのである。

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