さむさ

ごめんなさい
会いたくないの
なぜって
冬のせいよ
寒さが
わたしのこの身体に
少しずつ
降り積もって
もういいかげん
凍えそうなのよ
耐えられそうにないの
あと少し
あと少しと思うけれど
今日も寒さが
わたしのこころにも積もってしまって
とうとうわたしが凍ってしまいそう
大切な
ほんとうのわたしが

ほんとうのわたしが凍ったら
もうあなたに触れられないわ
あなたと会っても
お話ししても
もうなんにも感じない
なんにも感じないのよ

わたし、ほんとうは
どこへも行きたくない
寒くて寒くて
どこへも行かずに
ひたすらじっとして
息をひそめるように
おとなしく眠っていたい
死んだように

はじめの頃はまだよかったの
寒さはわたしの友達だった
でももう積もりすぎたわ
しばらくそっとしておいて
いつか、遠い春が来て
寒さが溶け出すまで

そうでなければあなた
今すぐわたしの太陽になって

2022.02.23