いとなみ

はげしい
嵐の夜を
逃げるように
越えた朝
いっしゅんで
すきとおった青
散乱した洗剤を
片付けて
ちいさな宝石のように
この世界にわだかまる
目に見えない、いとなみが
また、あたらしくなる
黒いしみのわたしが
また、うれしくなって
子どものように
駆け出したい
昨日までの自分の
悩みの濃さや
寂しさも
とうめいな
光にとけて
やさしさに
迎え入れられた
いとなみが
また、やってくる
わたしもその中に
含められたら
きっとまた、
うれしくなる

2023.11.19

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