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日記:映画の映像ぬき

朝起きて「On Seeing The 100% Perfect Girl One Beautiful April Moring」を読む。今日は冷たい風が吹く晴れの日だ。ドトールに行って絵を描く。ハムのイラストその189。隣の席に男と女が座っている。50代半ばくらいだろうか。終始、男が女に自慢話をしている。「どんなに自分が有能なのか」。女は意見をするでもなく相づちを打つ。聞いていておもしろい話でもないから女が気の毒だ。「頭のいい奴は学びっぱなしだからダメなんだよ」と男が言ってて、それはスッと理解できるような気がした。昼、鶏肉・にんじん・オクラを茹でながら、石坂洋二郎を読む。「あいつと私」。男遊びが激しい女について「強いて形容すれば、『男』という新鮮な栄養素をふんだんに補給している女性だけがもちうる、独特な魅力かも知れないのだ・・・」という文章が好きだった。昼ごはんを食べ終えて、中村文則を読む。「あなたが消えた夜に」。中村文則の書く登場人物は生々しくて好きだ。イヤフォンをつけて天神の街を歩いている。街中にはショートカットでセンターパートの女の子があふれている。すごくかわいいと思う。イヤフォンからは「Before Sunrise」が流れている。僕は映画を熱心に見るほうではない。それよりも映画の音声だけをスマホに入れて歩きながら聞くのを好む。イーサン・ホークとジュリー・デルピーが観覧車の中で初めてキスをするときの、イーサン・ホークのニヤニヤ顔を想像して僕もニヤリとする。大濠公園のベンチで日記の続きを書いている。目の前に虫を殺す電灯(殺虫灯というらしい)があったことに気づく。「ジッ」という音とともに虫が感電して死ぬ。デーメーテール像の後ろの方では女がアコーディオンを弾いていた。

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