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日記:スタンド・アローン

舞鶴公園でパンを食べる。前回来たときよりも、銀杏の匂いは薄くなっている。ベンチに座って「ボヘミアンの醜聞」を読む。猫が2匹毛づくろいをしている。近づいていくとこちらを見る。表情が険しい。何もそんな顔をしなくてもいいだろうに。

広場には多くの人達。鷹(たぶん)を右腕に乗せ、ゆっくりと歩く男女。それぞれ一匹づつ。鷹匠か。鷹はじっとしている。どんな気持ちなんだろう。別の男女。男はTシャツ、女はトレンチコート。歩調がぴったりと合っている。しばらく見ていても歩調は崩れない。二人で歩くと自然とそうなるんだったかと思い、別の男女を観察する。てんでんバラバラ。もう一度見ると男は手に持っていた黒い革ジャンを着ている。それでも歩調はぴったりと合ったままだ。別の男女。男は青いコート、女は黒いドレス。20代前半くらい。おとなっぽい雰囲気。ベンチに座っておにぎりを食べ始めたその2人は子供の遠足のような雰囲気に変わっている。

「たとえば君は、玄関からこの部屋まであがってくる途中の階段は、ずいぶん見てるだろう?(ワトスンが『何百回となくさ』と答える)じゃきくが、段は何段あるね?」ホームズが言う。答えることはできない。「心で見ないからだ。眼で見るだけなら、ずいぶん見ているんだがねえ」そういうことってたくさんある気がする。

今日は緑色のセーターに、緑色の靴下を履いて出かけた。公園でマウントレーニアのエスプレッソを飲んでいた。「あ、緑色が好きな人みたいだな」 マウントレーニアのパッケージが緑色だったことに気づいてそう思った。

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