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ダンスで食っていくにはどうしたらいいのか?

皆さんこんにちは、ダンスの歴史書を運営しているアラフォーのシンヤと申します。
小学生の頃からダンスをやっていて、加齢と共に動けなくなり今は見る専門になってしまいました。

昔からダンスの将来について色々と考えることがあり、「どうやったらダンサーは食っていけるのか」の問いに対して、自分なりの答えを見つけたので、筆を取りました。

簡単に自己紹介をすると、HR領域で働いたり、広告代理店で働いたり、今は経営企画として色々な仕事をしているおっさんです。

ダンスに対してはかなりの思い入れがあり、ダンスをしていなければ今の自分はいないと思っています。


さらに、ダンスや生き方について影響を受けた九州の大先輩方が早くに亡くなり…..

偉大な彼らの変わりはできないにしても、僕もいい年齢になったので、何らかダンスに恩返しがしたいと思っています。

そこで、少し専門的な話も多くなりますが、ダンス界の構造やマネタイズ方法について考え「ダンスで食っていくにはどうしたらいいのか」について僕なりの見解をまとめます。

少しセンシティブな内容も含むため、後半はフリー公開にしていません。
悪しからず。

現役ダンサーや将来プロとして食べていきたい人に読んでもらえたら嬉しいです。


ダンス界の現状

ダンスの競技人口
引用:日経 株価も踊る!躍動ダンス市場 日本のダンサー85倍に

まず、ダンス市場の整理から。
競技人口は右肩上がりに増加し、野球やサッカーをはるかに凌ぐ規模に成長しています。
ダンス人口は600万人越え、野球は380万人ほど、サッカーは430万人ほど。

その背景としては、

  1. 中学校でのダンスの必修科

  2. アンダーグラウンドからパブリックへの浸透(ダンスの一般化)

  3. TikTokの流行

この辺りが大きな要因のようで、概ね納得です。

01年比で約85倍に伸びた。25年には1100万人程度まで拡大すると見込む。金額ベースの市場規模は数千億との推計もある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB2638R0W3A620C2000000/

今後ますます市場が大ききなっていくとのこと。
ダンスをしていた身からすると非常に嬉しく思います。


しかし疑問が生まれます。

プロ野球やプロサッカーよりも競技人口が多く、市場規模も遜色ないはずなのに、なぜダンサーって食えてないのかと。


日本のプロ野球は売り上げ規模で1800億円程度、Jリーグは1200億円ほど。
そこに引けを取らないマーケット規模を誇るのに、何で一流ダンサーがダンスだけで食っていけないのか??

本当に不思議…..
そこで色々分析してみることにしました。

ダンス業界の分析

ダンスを生業にしている人の収入源は大体こんな感じかなと

  1. ダンスインストラクター(レッスン、ワークショップ等)

  2. 振り付けやバックダンサー(演出・舞台含む)

  3. スポンサー収入

  4. 稀にダンスバトルの賞金?

  5. 劇団や事務所などに所属

まぁ、こんなもんでしょう。
次に、この中で誰が一番儲かっているのかを考えてみました。

ダンサーの収入の高低

まず、ダンサーで年収の高い人って、アングラ領域にはほぼ存在しないんじゃないかって感じました。

あと、アングラ領域に共通しているのは、実稼働による収入が殆どで、いわゆる「労働集約的な働き方」だということ。

レッスンやバックダンサー、振り付けなど自分の稼働によって対価をもらうことがほとんどです。こういう働き方は当たり前ではあるものの、自分が怪我をしたり病気をしたら収入が途絶えてしまい、死活問題になります。

いわゆるストック的な仕事が難しく、フローの状態で働いていることになります。

山本さんのツイートも痛いほど分かります。

ダンスで著作権、肖像権、知的財産的な収入を得るのは非常に難しいと思います。
例えばランニングマンを使用したら開発した人にお金がいくなんて非現実的ですよね。

現状、ダンサーはストック的な収入源は乏しく、実稼働した対価であるフロー所得が殆どなんですよね。


一方で、先ほどの図の右上にいる人たち。

ちょっとメジャーっぽい所で活躍している人は、

  1. 基本的に仕事の単価が高い

  2. 実稼働以外の収入も見込める

こんな特徴があります。

例えば、スポンサー、CM、音楽活動などの著作権が発生する仕事はストックになりやすいですよね。
しかも顔が売れていれば、何らか他の仕事にも移りやすい。

メジャー寄りで活動している人はこんなメリットがあるので、アングラで活動するよりも、瞬間的ではありますが大きなお金を稼ぐことができます。

これはストリートダンサーが食っていく一つの選択肢になると思います。

ダンサーの収入分布(予測)

プロダンサーの収入分布
ダンサーの収入分布

上記は、独断と偏見で作成したので異論は認めます(笑)
殆どのダンサーは左下に属し、収入が低いエリアにカテゴライズされるはずです。

一方で収入の高いダンサーは、メジャー寄りで活動している傾向にあります。

Taisuke君とか、Shigekix君なんかは、メジャーとアングラの狭間かなぁと。
世界を舞台に活躍をしていて、素晴らしいロールモデルになっています。

DA PUMPのKenzoさん、Yoriさんはアングラ領域からメジャーへ移って成功している感じですね。

EXILEのメンバーもそういう人が多い印象です。

結局のところ

何が言いたいかというと、メジャーへいかなければ食えないってことです。

多くの人に認知され、エンタメとしてお金を稼がなければ、ダンサーがダンサーとして食っていくのは厳しいと思います。

分がります、僕もダンサーの端くれなので、「エンタメ?」「それはストリートダンスじゃない」「アングラを捨てるのか」….etc

そういう声が聞こえてきそうで(笑)
そう思った人はこの写真をご覧ください。

Yoshibow制作CD
Yoshibowセレクト

これは2005年とか2006年にYoshibowさんがご病気をされた時に、販売されたCDです。(僕の宝物です)
確かmixiで闘病の様子を発信されていて、寄付とか闘病応援みたいな文脈で購入したと記憶しています。

ご病気でダンスが踊れなくなり、闘病にもお金がかかっていた様子でした。

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