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9. アグリジェントまで

名残惜しい。ホテルを後にする。タクシーを呼んでもらいタオルミーナ駅に。20.000リラ。回送付きの値段は高いか安いかよくわからないけれど、白タクではないので、大丈夫だろう。次いで、カターニャ行きのバスに乗る。これはもう慣れた感じに。

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カターニャ駅構内の日陰で、次の目的地アグリジェント(Agrigento)行きの電車の時間まで待つ。駅員さんと自分たちの他には、一人二人見かけたくらい。時刻表を確認し、ベンチに腰掛け、のんびりと海を見ていた。切符は昨日買ってある。慌てなくていい。準備万端。

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今は違うけれど、この頃のイタリア国鉄(FS)の切符は、普通列車の乗車券は2ヶ月有効だった。そして、乗る日に刻印を押す。刻印は6時間有効で、機械の差し込み口に切符を入れる。これを忘れたまま乗ってしまうと、罰金があるという話。

もう少しで電車の時間だけれど、プラットフォームにはまだ電車が来ない。よく聞く遅延かな。そういえば、何遍も何遍もアナウンスがあるね、人がいないのに。向こうに停まっていた2両しかない電車がゆっくり走り出したとき、やっと気づいた。私がプラットフォームを間違えたのだった。駅員さんは、おかしいなあと思っていたのだろう。アグリジェントに連れていってくれるはずだった電車の窓から、土埃が立ちそうなカーテンが海風に揺れているのが見える。日陰を出ると、とても暑い。

まずい!どうしよう?次の電車は何時間も後だ。バスがあることを思い出して、インフォメーションでアグリジェント行きのバスを教えてもらう。チケット売り場で時刻表を見ると、幸いあと一時間ほどで1本ある!脱力して説明を聞きながら、顔立ちが若干アラブ寄りの彫りで、シチリアらしい顔ってこういう感じかなとぼんやり思いながら、チケットを買った。

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バスは日本の空港までのリムジンバスのような感じ。大きな荷物をトランクに預け、座って一安心。海沿いを走る電車を思い出すと、車窓の景色を想像してみたりして、残念に思う。はっ!あのカーテン、窓全開。冷房がないってことだ。ゴツゴツの岩肌に草が生えている景色を見ながら、乗り遅れてよかったのかも、という気持ちになったら、一気に眠気に襲われた。

アグリジェントに着き、バスのトランクから各自荷物を出したら、ホテルまで移動するためにタクシー乗り場を探す。一人、まるまるしたお父さんがタクシータクシーと話しかけて付いてくる。困って振り払うようにタクシー乗り場にダッシュした。運転手のいないタクシーの前で待っていると、先ほどのお父さんが汗を滲ませ息を切らして、追いついた。ほら、タクシーだろ?と。ごめんなさい。噂で白タクの客引き注意と聞いていたから。正式なタクシーで、メーターは付いていた。

ホテルは少し離れた場所にあり、チップ込みで16万リラだった。お父さんを走らせちゃったから、チップ多めにお支払い。

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バスと電車のルートはほぼ同じで、カルタニセッタ(Caltanissetta)を経由するルート。電車は他の駅での乗り換えパターンもある。このスクショはカルタニセッタ乗り換えで約3時間半、値段も安い。金額表示は、ドットがカンマの役割なので、1652円。Andataは行き、Meno caroは一番安い、cambioは乗り換え。

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5時間半かかるルートは、もうパレルモの方、ティレニア海まで行ってしまう。上の地図で、マーカーをつけていないが、PalermoとCefaluの間。

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これらは、次のサイトのスクショ。携帯で予約して購入できてしまう、便利な時代。でも、旅行はおあずけ。
https://www.thetrainline.com/it


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