見出し画像

『親愛なるジーンへ』について

こんにちは、ダメ大学生です。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか? 私は課題に追われて、心の安定を失っております。大学生ってもっと暇な生き物だと思ってた…(これを毎年言ってる)


さて、今回紹介したい本は『親愛なるジーンへ』という漫画です。(ジャンルはボーイズラブなので、苦手な方はここでブラウザバックしてください)


 吾妻香夜先生の漫画で、『ラムスプリンガの情景』のスピンオフ作品です。こっちも最高なので是非。

いつもは小説についての記事を投稿していますが、どうしてもこの漫画について書きたい気持ちが抑えられず、記事を書いてます。というのも、6月からこの漫画の連載が再開されるそうなんですよ! 待ってました!!

喜びのなか再開を祝して一巻を読み返していると、私は気づきました。

この漫画、色々と凄すぎる

と。

語彙力皆無の酷い感想ですが、読み終えてからしばらくは放心状態でこの程度の事しか言えなくなります。


簡単に紹介すると、舞台は1970年代ニューヨーク。弁護士のトレヴァーは、困っているところを助けてくれたみすぼらしいジーンを、お礼も兼ねてハウスキーパーとして雇います。自分の心に嘘をつき続けるトレヴァーと、元アーミッシュのジーンの共同生活を描いた漫画です。

「アーミッシュ」はあまり聞くことのない単語なので、Wikipediaの引用を載せておきますね。

アーミッシュ(英語: Amish、ドイツ語: Amische)は、アメリカ合衆国のオハイオ州・ペンシルベニア州・中西部などやカナダ・オンタリオ州などに居住するドイツ系移民(ペンシルベニア・ダッチも含まれる)の宗教集団である。移民当時の生活様式を保持し、農耕や牧畜によって自給自足生活をしていることで知られる。

アーミッシュにならないことを選択したジーンの葛藤、トレヴァーの生い立ち、当時のアメリカの情勢……様々な悩みのなかで彼らは光を見出そうとします。愛しい、懐かしい、もう戻ってこないかもしれない幸せを夢見て。

この漫画の何が凄いかというと、作り込みがとんでもなく細かいんですよね。背景や小道具等だけでなく、時代背景やアメリカの人びとまでもが非常によく描かれているんです。

例えば、ピーター・ルーガー、クラークケント、モンゴメリーのバスボイコットや公民権運動、そしてストーンウォール・インでの暴動などが上手く漫画内に取り込まれています。彼らが本当に当時のアメリカに存在していたように感じられるのです。

70年代のアメリカ社会で彼らはどのような境遇にあって何を考えたのか、これを読者に考えさせることができるために、この物語をただのボーイズラブの枠にとどめないのかもしれませんね。


この国ではない、この時代ではない、でもどこか懐かしくて愛おしい物語。ノスタルジーを味わいたい方、ストーリーを存分に楽しみたい方、是非読んでみてください。


では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?