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本当は母親だって学びたい

この記事が公開になって、ヤフコメ欄でいろいろな意見をいただきました。すべての意見について、感謝いたします。

専業主婦とワーママは紙一重

専業主婦のことを書くと、本当にいろいろいろいろ!意見が出てきます。でも、私はあえてこの話題については、どこかしらで書いていきたいなと思っているのです。なぜなら、出産前の私が、専業主婦の存在を否定するような考えの持ち主だったからです。専業主婦って毎日何してるの?赤ちゃんなんて寝てるだけでしょ?かわいいだけでしょ?どうせ暇な時間がたくさんあるんでしょ?って思っていたのです。本当に、今考えると恐ろしいほどに偏った考えの持ち主でした。

父親が若くして病気になってから、母がバリバリ働いて家計を支えてきたので、母親=働くものという環境で育ったのも大きかったのかもしれません。パシッとスーツを着て、仕事に向かう母の姿に、私も大きくなったらスーツを着て働く女性になりたいと憧れを抱いていました。こうした家庭環境もあってか、出産前までは、外で働くことだけに社会的な意義があると思っていました。

子どもを産んでからは考えががらりと変わりましたが、もしかしたら、私もずっと仕事を続けながら子育てをしていたら、未だに、専業主婦って毎日何しているの?という側の人間だったかもしれません。

今回の記事は育児や主婦業=キャリアのブランクでないという内容でした。意見欄にあったとおり、主婦=職業ではないし、第一線で仕事をしてお給料をもらっているレベルではないのかもしれません。私が一番伝えたかったのは、主婦も社会を構成する重要な役割を担っていること、そして、主婦業はオールラウンダーだからこそ、地域や家庭で培った経験を大いに次の職に生かせるよ。ということでした。

いろいろと読ませていただく中で、こちらの方の意見がとてもしっくりきました↓

ダイバーシティマネジメントという観点でいうと、職業について現場の作業をしつづけねばならぬというのは、古い就労観念であって、時間生産性をあげて労働時間を短縮し労働していない時間から新しい価値へのアイデアを思いつくといったような可能性を考えると、そういった主婦という時間は多いな経験と強みになるのではないのか。だからブランク(=社会人として何も価値がない)だとは言えないのではないか。

シャドウワークも立派な仕事

家族が第一線で活躍できるように、いわゆるマネージャー的な役割をする仕事はシャドウワークと言われています。(日本流でいうと、内助の功)。この観点から言うと、家族を支える主婦業も立派な仕事ではないでしょうか。

https://jinjibu.jp/keyword/detl/931/ ↓記事から一部抜粋すると

「シャドウワーク」とは、無報酬ではあるものの、社会・経済の基盤を支えるために必要不可欠な労働のこと。オーストリアの哲学者イヴァン・イリイチ氏による造語で、一般的に家事労働や妊娠・出産、子育てを指します。
「シャドウワーク」は、労働を可能にするための前提条件とも言えます。家事は表に出てこない「隠れた労働」で、賃金として評価されず、社会的価値を認められてきませんでした。しかし、シャドウワークの本質はビジネスシーンにおいても必要な要素であるという考えもあります。
一橋大学・一條和生氏と多摩大学・徳岡晃一郎氏の共著『シャドーワーク ―知識創造を促す組織戦略』では「シャドーワークとは、通常の業務、意思決定プロセスからは外れた、個人の自主的な意志と裁量による創造的な仕事を指している。質の高いシャドーワークこそが組織をクリエイティブに動かし続け、また社員自身も生き生きと活躍できるベースとなる」と述べています。つまり、本業に主体的に取り組めるかどうかはシャドウワークの質にかかっている、ということ。

スポーツ選手や映画監督など、著名な人物を育てあげた母については”偉大なる母”としてクローズアップされます。「母親業ってすごいね」「この母親がいたからこの人は大活躍できたのだ」と。その通り、子育ては本当に大仕事です。

自分のお母さんに対して大抵の人は「お母さんって頑張っている!」「大変だね!」「育ててくれてありがとう!」となるのに、専業主婦という言葉に置き換えられた途端に、生産性がないといったような心無い言葉をぶつけてもいいという風潮になるのはなぜなのだろうと思います。

仕事を辞めて、育児に専念している女性たちは、社会とのつながりが減り、スキルアップや自分磨きの時間が失われていくなかで、自信を無くしていくことの方が多いです。それに追い打ちをかけるかのように、ワーキングマザーだけが称賛されるような、専業主婦だけを一括りに否定されるような、風潮は違うのではないかと思っています。それに、専業主婦とワーママは紙一重です。夫の転勤、第二子・第三子の出産、仕事と育児の両立が困難になり退職する女性も多く存在します。一度退職すると再び正社員に戻ることが難しいのが日本の現実です。

主婦にもスキルアップの機会を

記事にも書きましたが、少し子育てが落ち着いて、復帰しようかと思った母親たちは子育て期間をキャリアブランクとされ、復帰が難しい状況に追い込まれます。子育て中の女性、または子育てに長年専念してきた女性が働く・働かないの選択をする以前のところに問題があると私は思っています。

こちら日経新聞の記事↓

日本総合研究所の山田久氏は女性の雇用安定に向けて「資格やデジタル関連などの高度な技能を身につけることが重要だ」と語り、より付加価値の高い仕事に移ってもらう必要性を強調する。
デジタル人材の育成や成人の再教育は日本の政策の手薄な部分だ。学校の授業でデジタル機器を使う時間は短く、経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進国で最下位となった。社会人が新たに先進的な技能を学ぶ場合の支援策も乏しい。

デジタル人材のニーズがあって、働きたい主婦がいたとしたら、現状ではマッチングは成立しません。子育て中の主婦が新たなスキルを学ぶ機会がないからです。前職の経験と、育児や子育てにまつわるノウハウしか武器はありません。

失業者に雇用保険で新たな技術を学ばせる職業訓練のような支援策があるように、子育て中の主婦にもスキルアップの機会を与えて欲しいと思います。

「スキマ時間で自己研鑽すればいいじゃない?」「自分で学校に通えばいいじゃない?」それも一つの意見です。でも、子育て中の主婦が自己研鑽のために時間を捻出するのは至難のわざです。自己研鑽・スキルアップのために子どもを保育してくれるような場があるなら別ですが、今のところありません。

とはいえ、環境が整わないと何もできない、動けないというのは、ただの言い訳になってしまいます。事実、そのような環境でも復帰する人はします。また、環境を整えてもらいたい、〜がないと〜できないという受け身は、仕事を始めてからも褒めてもらえるような姿勢ではありません。今ある環境でできることはいろいろとはあるはずです。そこに何らかの支援策も加われば、もっと女性が働きやすい環境になるのではないでしょうか。

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