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ミニシアターを創るの手伝って!

大阪北区・扇町で新しいミニシアターを創ろうとしています。
ミニシアターが無くなりつつある中、
新しいミニシアターを創る話が通ったのはある意味奇跡です。

ただ、予算がギリギリで、上映機材を良いもの(古い映画だけじゃなく、封切りの新作も上映できる設備にしたい)にしたく、クラウドファンディングをやっております。
ぜひご一読ください。そしてご支援と情報拡散をお願いします。

最後に、このページ用に書いたコラムを載せます。


映画ファンは再び東を目指す

シネコンとはまた少し違う、芸術性の高さや奇抜な感性や作家のこだわりの詰まった映画が観たい時、皆さんはミニシアターを思い浮かべると思います。

小さな劇場でちょっと背伸びしたような映画を観る非日常な体験。
観終わった後、数十人のお客さんと共犯関係になったような不思議な気分。
入る前は自分の中に無かった新しい価値観が芽生えてることに気づく戸惑いと誇らしさ。
「自分だけの密かな愉しみ」としての映画館。それがミニシアターの良さです。

いま現在、大阪駅からミニシアターに行くには西側へ向かうしか選択肢がありません。再開発の進むグランフロント周辺を抜けてスカイビルへ。そこにシネリーブル梅田があります。梅田エリアに残る唯一のミニシアターで、空間もラインナップも最高のミニシアターです。
しかし一昔前、ミニシアターに向かう時に、先ずは大阪駅から東に出たものでした。
阪急梅田を抜けて北に歩けばテアトル梅田です。NYやヨーロッパ映画のトレンドはここで行列に並んで観たものでした。
阪急梅田から更に東へ。阪急東通商店街を抜ければシネマ・ヴェリテです。ヌーヴェルヴァーグやアンダーグラウンドな映画をこの地下のあやしい劇場で観ると映画通になれた気分でした。
ヴェリテから更に東に行くと、ガラス張りのオシャレなカフェと飛び出た怪獣の巨大看板が見えてきます。扇町ミュージアムスクエアです。


1985年に誕生した扇町ミュージアムスクエアは小劇場系の演劇と単館系の映画の両方を鑑賞できて、カフェもあって雑貨屋やギャラリーもある大阪らしい「ごった煮」な施設でした。映画館としては世界中のパンク、アート、アングラ、トラッシュ、ファッションと尖った感性を刺激する映画を上映していた印象でした。寺山修司、ジョン・ウォーターズ、セルジュ・ゲンズブールなどなど。
そしてアジアや日本の若手注目作家の作品ともここで沢山出会いました。『バタアシ金魚』『三月のライオン』『Love Letter』『鬼畜大宴会』。なんと『恋する惑星』のウォン・カーウァイ監督と金城武さんが舞台挨拶をした逸話もあります。
扇町ミュージアムスクエアから出てきた後はだいたい自己肯定感が高くなってヤバい目つきで梅田を歩いてたと思います。感性をダイレクトに刺激してくれる、そんな場所でした。

2003年、ビルの老朽化を理由に多くのファンに惜しまれながら、扇町ミュージアムスクエアは18年の歴史を閉じ、ビルは同年解体されましたが、その20年後にあたらしく生まれる扇町ミュージアムキューブと扇町キネマが、文化的な拡がりと賑わいにおいて再び扇町を盛りあげることを願います。
そして映画ファンは再び東を目指しましょう。

扇町キネマ 応援団長
西尾孔志


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