見出し画像

『デューン 砂の惑星PART2』という映画版「巨大宗教施設」

EXPOCITYのデカいIMAXで『デューン 砂の惑星PART2』を観て、僕は心が満たされた(たぶん目がイってる)。

あの映画は言わば「巨大宗教施設」だ。
以前、奈良の天理教の大神殿を見学したが、『デューン2』を観てる時と似た興奮があった。
自分は巨石とか巨大な工場とか巨大建造物が好きだ。巨大重機のでっかいキャタピラとかゾクゾクする。
巨大な港湾クレーンがゆっくり動くのも好きだし、強風が吹いたときにバグパイプみたいに重低音で鳴るのは鳥肌ものだ。
怖いけど、惹かれてしまう。
この、怖いけど惹かれる、の感覚に3時間浸れるなんて『デューン2』は最高の映画だ。
メカメカしさと宗教的な荘厳さを兼ね備えたデザインの巨大な乗り物がゆっくりゆっくり動く、その時間を丁寧に描くから、「あれ?あの人その後どうなった?」みたいに物語で端折る部分が出てくるが、それで構わない。3時間の宗教儀式なんだから、謎のままがあっていい。「理解」なんて「圧倒的体験」の前では小さいことなのだ。
『スターウォーズ』や『ブレードランナー』のデカい乗り物や建造物は『デューン2』に比べると光りすぎている。同じデカさでもビルのデカさだ。『デューン2』のそれは重機と宗教の悪魔合体だ。太古の地面から掘り起こされた「人類の上位存在」からのオーパーツっぽさがある。
この映画が去年公開だったら日本のオスカーは一つ減ってたかもしれん(『ゴジ-1』は最高でした)。圧倒的に素晴らしい映像体験。あと数回は通うんじゃないか。関西ならエキスポシティの1.43:1のデカいIMAXがオススメです。(比較画像参照)

人々は今、かつてあった宗教的体験の代理となる何かを求めてるのかもしれない。理解できないものへの畏怖とか。巨大な存在を感じることで安心を得るとか。それが一部の映画の高評価にもつながってるんじゃないか(『ミッドサマー』とか『NOPE』とか)。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?