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『走れない人の走り方』が傑作

スー・ユチュン監督『走れない人の走り方』

気持ちのよい傑作!
それなりの入賞経験もある若い映画監督の、猫と友達とのシェアハウスでの暮らしや、クランクイン前なのに遅々として進まない映画の準備での悲喜こもごもが、とても丁寧にナチュラルに、すっと胸に飛び込んでくるように描かれる。
この映画が出色なのは、そこに挿入されるヘンテコでおかしな人々のエピソードたち。監督曰く、伊丹十三の「たんぽぽ」の構成を参考にしたというこれらの場面が世界の豊かさと優しさを感じさせてくれる!
主演の山本奈衣瑠の大袈裟なところがない表情や佇まいも良かった。
可愛らしく豊かで丁寧でデタラメな遊び心もある大好きな映画だった。


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