らいか

楽しそうに舞台の上に居る人が好きな話

そのまま、タイトルの通りの話。
下手したら本文なんかいらない話。

英文的なものを学んだ時期もあったので、結論から文章を書き始めることが好きです。
なので結論をタイトルにもってきてしまった結果、もうこれ以降は読まなくてもいい雰囲気が出てしまいました。あらら。

でもせっかくなのでこのままダカダカとキーボードを打っていきたいと思います。

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数年前の夏フェスで初めてサカナクションを生で観ました。
知っているのはシングルで出ているメジャーどころだけという知識で、フェスのトリを飾る彼らのステージに赴き、楽しみだねぇ楽しみだねぇとのんきに友だちと演奏開始を待っていた十数分後、

ボーカル山口一郎さんの笑顔が脳天を直撃しました。

めちゃめちゃ楽しそうに歌う。
まさに破顔という表現そのもののお顔で歌う。
えっそんな顔するの?!と驚く暇も与えてもらえないほどに、満面の笑みと共に繰り出されるパフォーマンス。

魂(とお金)を一心にささげているバンドがすでに自分にはありましたので、同じレベルでサカナクションにハマってはいないのですが、
それでもあの光景と衝撃は今も記憶の引き出しの、一番取り出しやすいところにいつも置かれています。

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舞台においてもそうで、やはり演者が楽しそうにしているお姿が観ている自分にとってもすごく幸せ。

先日友人と一緒にLike Aというお歌の上手な方々ばかりが出る舞台作品を配信で観ました。
ストーリーは明かされない部分が多く、完成していないけれども描かれている絵がなんとなーーく想像できる(断定はできない)ジグソーパズルを眺めているような、そんな感覚に陥る作品だったのですが、

歌唱のシーンで役者さん全員がものすごく気持ちよさそうに歌っていて、
「歌うことが大好きなんだろうな」
と、素人目にもすぐわかるような、舞台上に確かに漂う幸福感を観客でも感じ取れるような、そういった舞台でした。
※配信版はこちらからレンタルできますよ!

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もちろん、バンドも役者も『人前で何かをする』ので、観られることを意識した振舞いというのはあると思います。役者さんなら文字通りの『演技』だって沢山あるでしょう。
もしかしたら、楽しそうだなって感じるのは、観客側である私の単なる勘違いや思い込みかもしれません。

ただ、自論中の自論であるということを前提に書いてしまいますと、
受け取り手の感じ方一つで事象は七変化すると思っています。

眠たいのを我慢していただけなのに、自分が不機嫌になっていると勘違いした相手を困らせてしまった。
そこまでのつもりではなかったのに、予想以上に相手が喜んでくれた。

このように、発信者とその受け手の間で感じ方や捉え方が違っていた経験、私にはよくあります。

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余談ですが、私の恩師に、自分の書いた文章が高校生向けの国語のテストで使用された経験を持つ人がいるのですが、その方がこう仰ってました。

「『この一文から読み取れる著者の考えを、次の中から選べ』っていう問題があってさ、選択肢読んでみてびっくりしたよ。『俺こんなこと考えてたんや、知らんかった!!』って(笑)」

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つまりは、役者本人のことなんか役者本人にしかわからないのだから、
「第三者の自分は、己の感性をもう信じて楽しんでしまおうぜ!」
ということが言いたいのです。

ほんとは、あの時のあの人は舞台の上では楽しくなかったのかもしれない。
でも私には楽しそうに見えたし、幸せに感じた。じゃあそれでいいよね。

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もちろん、それですべてを許せるかと言われたらそうではないのですが、

シリアスな場面でも、目をそむけたくなるようなシーンでも、救いようのない悪役であっても、

舞台の上のその人たちの、『この瞬間を愛しく思う気持ち』を感じ取れたなら、それは私にとってすごく幸せな時間になります。

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Like Aがあまりにも良かったことと、
大好きな役者さんが「めっちゃ楽しい!」を連発しながら配信番組を行ってくれたのを見たことから、つらつらと考えたお話でした。
Like Aの次回作行きたいなー。

読んでくださってありがとう、ではまた。