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なかなか集中できない人必見の書「やばい集中力」が本当にやばい。


このままでは僕は集中力がなくて破滅する

大学院生にもなり、その傍らぼちぼちと就活も始めていかなければならないタスク量が増え、かつ生産性が求められる僕。しかし、やるべきタスクの途中にパッと思いつきのタスクに飛びついたり、ひどいときはスマホで関係のないことを調べたり、動画を見たりすることもしばしば。このままでは破滅の道が待っている、ヤバイと思い藁にもすがる思いで飛びついた本が、パレオな男こと鈴木祐さんの書いた「ヤバイ集中力」であります。

もともとパレオな男という、無料ではもったいないような科学知識に基づいたライフハックな知識を提供するブログ(最近では、ニコニコチャンネルも開設しているそう)の読者であった、有益な知識が提供されるだろうとの安心感のもととびついたのでありますが、この本はその想像をこすものでした。


集中力はない?

まず、衝撃は、冒頭で「集中力はない」と否定したこと。「ええ!?」と思いつつ読み進めていくと、集中力というあいまいな概念を「自己効力感」(自分は難しい作業でもできるという感覚)と「モチベーション管理」(やる気の維持)、「注意持続力」(対象物に対してどれだけ集中できるか)、「セルフコントロール能力」(タスクの途中に訪れる誘惑を排除できるか)というのに、分解し、「それを高める方法ってなんなの?」ってことを調べれば、集中力あげられるんじゃない?って問題提起のもと実際にそれをやって、その結果を提供してくれているのがこの本なのです。

集中力は獣をうまく使いこなすいかに調教師を育てられるかにかかっている。

そもそもなぜ、我々は集中できないのでしょうか。誰が悪いわけでもなく、誰が特別怠惰なわけでもありません。

この本によると、我々の脳はもともと、目の前にある刺激に飛びつくようにできているのです。つまり、我々はみんな集中力がないんです。そして、それをコントロールしようと思えばできますが、それはまた別の部位を使い、その部位を使うためには、刺激に飛びつくよりも、時間とエネルギーが必要です。つまり、我々の脳は先に刺激に飛びつこうとしてしまうのです。僕も含め多くの人はこのフェーズでやるべきことを忘れ、別のことを考え始めたり、始めたりしてしまいます。この本では、刺激に飛びつこうとする脳のフェーズを野獣、それをコントロールしようとする脳のフェーズを調教師にたとえます。

上にあげた集中力を構成するもろもろの能力は、「調教師がいかに野獣を制御できるか?」にかかっています。この制御の差が集中力や生産性の差です。この差を決定する50%は後天的に身に着けられるといわれています。我々はだれでも集中できないのですが、誰でも集中できるようになるのです。

ただ、現代社会は不幸なことに、インターネット、スマホなど我々の野獣を暴れさせる要因がそろっています。しかし、逆に言えば、そのなかで野獣を制御できる調教師がいれば、ポテンシャルがありながら野獣が暴れまくっている人たちを出し抜けるのです。

調教師育成メゾットはこんなにも多いのか?できるものからやってみよう

ライフハックに興味を持つ人なら集中力を上げる方法と聞いて、「マインドフルネス」や「地中海式食事」など思い浮かぶことでしょう。私もそうです。ただ、この本は、それを超えてきます。MIND、報酬プランニング、物語の力、このほかにも耳なじみのない、脳のなかの調教師を育てるありとあらゆるメゾットが存在するのです。そして、ワークシートなどものっており非常に実践的です。さらに、アクションプランまで乗っており、それに従って調教師を育成していくのもありでしょう。

集中を手に入れることは、真の自由を手に入れることである

「集中を手に入れることは、真の自由を手に入れることである。」と鈴木さんはあとがきに記しています。欲望のままに生きることは一見自由に見えながら、結局のところその欲望を利用したい、マーケッター、アプリの製作者の思い通りであるとのこと。そして、それを制御したうえで、自分のやりたいこと、やるべきことに集中することこそ自由じゃないのかというメッセージを読者に伝えてこの本を終えます。

僕自身も、この最初に集中力という能力はないと集中力を否定しながらも、より科学的にそして、より実践的に集中力を高める方法を書いた本『ヤバイ集中力』の内容を参考に、真の自由を手に入れたいと感じます。この本、まじでヤバイです。

【追記】一緒に読むと面白いかも

ダニエルカーネマンの『ファスト&スロー』やダンアリエリーの『予想通りに不合理』などこの本に関連する知識が乗っている他の作者が書いた本と、ともに関連付けて読むのも面白い読み方の一つだと思います。この本は、二つよりも群を抜いて実践にフォーカスした本なので、すぐ知識を使いたい人、いますぐにでも集中力を高めたい人は、この本から読み始めることをおすすめします。



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