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熱波師検定 B に合格しました

エゾジニアのつっかーです。全国的に大寒波ですね。先週末は道東でテントサウナの予定でしたが、山道で遭難する未来がよぎり泣く泣く諦めました。今年の冬将軍はご機嫌ななめです。

さて、昨年末に熱波師検定Bなるものを受験してきました。サウナにハマってまだ半年足らずですが、自分でもびっくりするくらいのフットワークでいろいろチャレンジしています。本記事では熱波師検定とはなにかに始まり、体験レポートを綴りたいと思います。

熱波師検定とは?

文字通り「熱波」に関する知識や技術を問う検定です。
社団法人ニッポンおふろ元気プロジェクトの一活動である「
日本サウナ熱波アウフグース協会」が主催しています。

そもそも熱波ってなんだよ?

サウナの中でタオルを振り回し入浴者に浴びせかける熱風のことです。中世ヨーロッパで発生しドイツで発展したもので、アウフグースとも呼ばれます。

日本では一般的に「ロウリュサービス」と呼ばれることもありますが、本来ロウリュとは「サウナストーブに水またはお湯をかけて発生する蒸気、もしくは蒸気を発生させる行為」です。

アウフグースは以下の2つの目的があると言われています。

  1. サウナ室内の空気を攪拌して、熱気をまんべんなく行き届かせる

  2. 入浴者が十分に暖まるまで飽きさせない

意外なことにサウナの本場フィンランドではアウフグースという文化はありません。フィンランドのサウナは天井が低く狭いため、攪拌せずとも十分暖まるという事情があります。また、フィンランド人の国民性として、派手を好まず物静かという特性もあり、日本の温泉同様に騒がずじっくり味わうというスタイルです。

前述のとおりアウフグースはドイツで発展したもので、天井が高く広いサウナ室、パンクやトランスミュージックが好きなパリピー国民性(偏見)所以と言われています。

熱波師とは?

熱波師は、アウフグーサーとも呼ばれます。文字通りアウフグースを行う人を指します。大きいスパ施設などで施設のスタッフさんが代わる代わるサービスしている光景をみかけます。100度を超える灼熱のサウナ室で10分ほどタオルを仰ぎ入浴者を熱するハードな行為です。

後述する検定の講師より、入浴者を飽きさせないよう古代ローマのコスプレをして国旗を振り回した、という文献が残っているとお話を聞きました。熱波の本質は、エンターテイメントであると言え、熱波師は入浴者を楽しませるエンターテイナーであります。

なぜつっかーは熱波師検定を受けたの?

サウナ関連の資格はかたっぱしとってみよう!というノリからです。正直深い考えはありません。

私が初めて熱波を浴びたのは札幌のニコーリフレであります。「北の絶対王者」と称される北日本随一のエンタメサウナ施設です。

コロナ禍前、30人以上の男たちがみっちみちに詰まったサウナ室内でタオルを振り、熱気をひとりひとり丁寧に送る熱波師はものすごい汗。終わるとすぐさま制服を脱いでひと風呂浴びます。

この頃、まさか自分がタオルを仰ぐ側に立つことなどまったく思いもしませんでした。人生何があるかわかりません。

検定について詳しく

種類

冒頭で紹介した熱波師検定は難易度別に複数の種類があります。

日本サウナ熱波アウフグース協会 熱波師検定より

S>A>ステップアップ>B>Cの順に、高度な知識や技能が求められます。

受講方法

初心者むけのB、Cはオンライン受講可能ですが、その他は日本サウナ熱波アウフグース協会に加盟するいずれかの施設でオンサイト受講が必要となります。(直近は以下の施設で開催)

費用

今回私が受講した熱波師検定Bは18,700円です。お値段については正直かなりの高額。私の場合、地方在住ということで交通費や宿泊費がさらに加算されます。

今回は仕事の予定と相乗りしたのでよかったものの、趣味で取得する方はよほどの好きものだと思います(おまいう)。

合格すると認定証の他に協会ロゴ入りの体幹トレーニングタオルがもらえるので、熱波師としての決意の証と割りきり、突っ込みました。

検定体験記

ここからは実際に私が検定を受講した時のことを記します。

会場はファンタジーサウナ&スパ おふろの国です。

http://ofuronokuni.co.jp/ より

最寄り駅はJR鶴見駅ですが、JR川崎駅北口からバスまたはタクシーで向かうのがスムーズかと思います。

施設に入るとすでに多くの方々が。当日は休館日で、実際の温浴施設内で講習を行うようです。

受付していた方は、プロ熱波師の第一人者、井上勝正氏。今回の検定座学編の講師でもあります。

https://twitter.com/307inoue/photo より

井上氏は元・プロレスラーで、セカンドキャリアとして熱波師道を歩んでおられます。迫力あるしゃがれ声に感動しながら受付を済ませ、座学を受講する席に着きます。

受講中の風景。右は受講特典の体幹トレーニングタオル。

受講者は全部で20名ほど。20〜30代前半の男性が大半、女性が2名。ほとんどの方がスパ施設で働くスタッフの方のようで、業務でアウフグースサービスを行なっている方も多いようです。趣味で取得する人は皆無のようでした。

座学は 90 分。テキストに記載される内容は最低限で、井上氏が熱波師として必要な知識やマインドを熱く語ってくださります。師曰く「受講者自身の言葉で語れるよう、あえてテキストには記載しない」とおっしゃっていました。一言も聞き漏らさないようメモをとります。

内容をこちらに記載することは差し控えますが、1点、井上氏が冒頭でお話された熱波師のミッションについて、私の記したメモを紹介します。

熱波師の仕事は、入浴者の安全を確保しつつ、楽しいサウナ体験を提供すること。健康状態を常に注視し、家に帰して差し上げることが最大のミッションである。

座学編を終えた後は実技編。受講者全員、軽装に着替えて男性浴場に移動します。実技編の講師はおふろの国で活躍する熱波師2名。お二人ともプロレスラー出身のようです。アウフグースの起源はエンターテイメントであることを踏まえると納得。

軽く体をほぐした後、いよいよ熱波実習です。タオルの持ち方にはじまり、基本の振り方、弱・中・強の使い分けを学びます。

最初は力任せに振っていましたが、他の受講者と互いに仰ぐとどうもイマイチ。講師から余計な力が入っていると指摘を受けます。頭上で開いたら板のようにそのまま下ろすのがコツだそうです。何度も振っていると二の腕が上がらなくなってきました。想像以上の負担です。

1時間ほどタオルを振っていると余計な力が抜けて、いい風を起こせるようになってきました。検定中の浴場は温度も湿気も抑えていますが、それでも汗がしっかり滲みます。

検定の最後に6人1組でサウナ室内での実演試験。3人がお客様、残り3人が熱波師の役を交代で演じます。実演前後の挨拶やベンチ上のタオルを直すところまでのロールプレイ。合計80回、5分ほどタオルをふり続け、これがめちゃくちゃつらい。だんだん雑になってくるのがわかり、講師からも檄がとびます。最後までやりきると疲労感と共に心地よい達成感。やりきったという実感が湧きます。

全員が実演を終えた頃には夕方17:00。結果は後日郵送とのことで解散します。私は当日の夜の便で北海道へ戻るため、慌ててタクシーを呼んで帰路に着きました。地元に着くと一面雪景色。数時間前まで半袖でタオルを振っていたとは思えません。

そして数日後の大晦日、無事合格の報せが届きました。

まとめ

無事、熱波師検定Bに認定されることができました。熱波師としての最初の一歩を踏み出し、感無量です。

忘れないよう自宅でタオルを振リたいのですが、天井や壁に当たってしまいうまいこといきません。今年は天候も荒れ気味のため、屋外でのトレーニングもままならず。春になってから再開しようかと思います。

サウナ関連資格としては、日本サウナ・スパ健康アドバイザーに続けて2つ目です。次の目標は日本サウナ・スパプロフェッショナルを取得し、サウナ施設管理に関する知識を習得することです。これらを取得したら当面は資格受験は保留とし、実務経験を増やしていきたいと思います。

平日の夜間や週末にどこかのサウナで熱波を送ることを夢見て、日々精進していきたいと思います。

以上、つっかーでした。


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