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2024/07/04 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス

年金目減り、就労増で縮小 
1.1%成長なら6% 横ばいだと2割
厚労省試算、出生率の想定高く

厚生労働省は公的年金制度の将来を示す「財政検証」の結果を公表。経済成長が続く場合、給付水準の低下は2024年度比6%で止まる見通し。成長率が横ばいの場合は20%近く低下。高齢者の就労拡大が年金財政を支える。今回の検証は4つのケースごとに給付水準を計算し、成長ケースでは37年度の所得代替率が57.6%となる。悲観的なケースでは国民年金が59年度に枯渇し破綻。過去の検証と比較すると給付水準の低下率が大きい傾向が示された。 高齢者や女性の労働参加が増え、積立金が増加。成長ケースの前提条件には実現の難しい要素もあり、就業率や出生率、賃金上昇率に課題がある。出生率の回復が見込みにくいため、就労拡大や外国人労働者の受け入れが必要。年金の給付水準の低下が続く中、老後資産の形成の重要性が高まる。財政検証は男女別の平均年金額の見通しも初めて示し、男女差が縮小する見込み。給付水準の底上げが必要。

税収最高もかりそめの改善 
昨年度72兆円、物価高が押し上げ
予算不用額は高止まり 歳出構造の改革不可避

財務省は2023年度の国の一般会計の決算概要を発表した。税収は過去最高の72兆761億円となり、企業の好業績やインフレが要因となった。ただし、金利上昇による利払い費の増加が懸念され、財政改善は一時的とされる。歳出構造の改革が必要とされる。 税収は22年度を上回り、インフレによって名目成長率が上昇し、税収も増加した。23年度のGDP成長率も予想を上回り、好調な結果となった。法人税収は過去最高で円安が利益に寄与した。 所得税収は減少したが、企業の賃上げにより増加した給与所得が影響した。消費税収は過去最高で、国内消費の堅調さが反映された。将来に向けては、金融政策の影響で長期金利上昇が懸念され、歳出構造改革が重要視される。 不用額の6兆8910億円は過去最大だが、精緻な予算編成や無駄な支出の有無についての指標となる。新型コロナ禍による補正予算の増加も影響し、平時化が求められている。政府は歳出改革を続け、PBの黒字化を目指しているが、税収の上振れ次第でその実現が左右される。

解剖PayPay(下)脱「ドブ板営業」、収穫期へ
加盟店に販促コンサル重点
技術力でGAFAも開拓

PayPayは、個人商店への営業から加盟店への販促コンサルティングへと展開し、インド企業からのシステム開発力を活かしてきめ細かな提案営業を行っている。勝者総取りの考え方を貫き、全国各地で営業攻勢をかけてユーザーを増やし、国民の半数以上が利用するまでに成長。加盟店の販促に注力し、クーポンなどの販促手法を展開している。ビッグデータを活用し、個別商品に特化したクーポンの提案も進めており、システム開発力を強化している。インドのスマホ決済企業からの技術支援を受け、システムの軽さや拡張性を生かし、毎週のアプリ更新を行っている。将来的には黒字化を果たし、IPOを目指す一方、SBGとの連携を強化し、金融事業やデータ分析分野で存在感を高める可能性がある。

〈社長100人アンケート〉「人手不足強まる」5割弱
ITエンジニアら確保に苦心
生成AI活用、打開探る

主要企業の経営者は、人手不足感が強まっており、採用強化やAI活用などの対策を模索している。1年前と比べて足りない人手を感じる割合が増加し、特に高度専門分野のITエンジニアや技術・設計職の不足が顕著である。企業は人員増強と生産性向上を両立しようとしており、中途採用強化やAI導入を進めている。また、外国人採用も検討されているが、新規採用の難しさや給与の課題があるようである。経営者は、人材確保だけでなく、エンゲージメント向上やDX推進を通じて生産性向上を図り、将来的にはAIによる業務補助が一層進むと見込まれている。

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