見出し画像

2024/06/24  日経新聞 朝刊 個人的厳選3トピックス

東電、グリーン水素を工場燃料に
脱炭素支援へ供給事業、サントリーなど導入

東京電力ホールディングスは、2026年度に燃料として使用する水素を供給する事業を始める。この「グリーン水素」は二酸化炭素排出量を減らすことができるため、サントリーホールディングスやスズキも導入している。東電の参入により、日本企業の脱炭素が促進される。具体的には、工場で使われる高温の熱源を再生可能エネルギーで水素製造し、CO2排出量を削減する取り組みが進められる。サントリーやスズキはそれぞれの工場に水素製造装置を設置し、水素を利用してCO2排出を減らす取り組みを行っている。この取り組みは国内では珍しく、将来的には水素社会への移行が進む可能性がある。

中国、金融危機防ぐ新基金 経営難なら資本注入
不動産不況の飛び火警戒

中国政府は金融危機を防ぐための金融安定保障基金を設け、金融市場の動揺を避けるために金融機関の破綻を防ぐことを目指す。この基金は金融安定法案で規定され、金融機関や金融インフラ企業から資金を集め、中国人民銀行による低利融資で規模を拡大する仕組みとなっている。預金保険基金など既存の基金とは異なり、金融市場全体の不安を招く重大なリスクに備えるために設立された。また、地方政府は金融リスクを抑えるための資本注入を行っており、不良債権処理が銀行業を圧迫している状況もある。これらの措置は中国政府が不動産不況や金融リスクの拡散を警戒し、金融システムの安定を図るために行われている。

不動産波乱、欧州に死角
「三重苦」に揺れる市場

欧州の不動産市場は不安定で、ECBは利下げを行ったものの、金利引き下げには慎重な姿勢を見せている。賃料の減少や建設コストの増加などの要因で商業不動産向けの融資で不良債権化の兆しが見られる。ドイツでは不動産関連の企業倒産が増加し、オフィスなどの商業用不動産市場が苦境にある。ECBは追加利下げを検討しているが、不透明感が残る中、不動産市場の動揺が金融システムに波及するリスクも懸念されている。住宅市場でも一部地域で価格の高騰が続いており、投資家は政治不安や財政悪化によるリスクに警戒している。EU委員会も財政規律の改善を促す勧告を示し、不動産市場に逆風が吹く可能性がある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?