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2024/08/22 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス

[1面] 世界の原発、発電能力最大
今年、AI・脱炭素けん引 新設の6割が中ロ

世界の原子力発電の発電能力が2024年に6年ぶりに過去最大となり、中国とロシアが新設の大部分を占めている。世界の原発は436基で、発電能力は4億1600万キロワットに達し、過去最大記録を更新した。新たな原発が稼働し、70基の新設が行われ、中国とロシアが主導している。世界の電力需要は50年までに現在の約2倍に増加する見込みであり、再生可能エネルギーの普及と共に原発が再評価されている。企業も原発関連事業に投資を行っており、国連気候変動枠組み条約締約国会議では、同志国22カ国が原発の設備容量を3倍に増やす目標を掲げている。日本では技術開発予算が限られており、新たな増設計画に慎重な検討が求められている。

PayPay、法人囲い込み
デジタル給与で経済圏構築 
手数料無料、中小狙う

スマートフォン決済のPayPayが法人事業に本格進出し、中小企業をターゲットに労務管理ソフト「勘定奉行」を提携した。給与支払いをデジタルマネーで行い、従業員が新たな口座を開設する必要がない仕組みを導入。OBCと提携し、2025年春からサービスを提供予定で、口座収集などの事務作業を簡略化する。PayPay銀行を利用して内部管理を行い、手数料を無料にする条件で法人口座を獲得し、未開拓の法人顧客を獲得する狙い。PayPayは法人向けサービスも充実させ、中小企業向け融資も行っており、法人口座数は25万件に過ぎないが、今後大型の資金需要に対応する可能性がある。業界で指定獲得を急いでおり、大企業との関係構築を進め、法人版のPayPay経済圏を築く。

ドル指数、年初並み低水準
利下げ観測で「魅力低下」 
新興国通貨買いに波及

外国為替市場では、米ドルの弱さが続き、ドル指数が1月以来の低水準を記録。FRBが経済減速を受けて9月に利下げするとの見方が強まり、新興国通貨への資金移動が進む。円相場も円高・ドル安の動きで円キャリー取引の影響で対ドルレートが変動。ユーロ相場もユーロ高・ドル安の水準に達し、日銀の利上げや欧州の景気回復、米国経済の減速懸念が影響。市場では、米国の景気減速懸念から9月の利下げが確実視され、金利先物市場でも利下げ期待高まる。実質金利低下により、外国人投資家にとって米ドルの魅力が低下し、新興国通貨への資金移動が活発化。特にブラジルの通貨であるレアルが人気で、リスクはあるものの新興国通貨への資金流入が増加。市場参加者のリスク許容度は一時的にリスク回避姿勢を示したが、再びリスク選好の動きが強まっている。米経済のソフトランディング期待がリスク資産への資金流入を後押ししているが、経済指標次第で状況が変わる可能性もある。

JT、米たばこ大手ベクターを買収
3780億円で全株式取得

日本たばこ産業(JT)は、米たばこ大手のベクター・グループを3780億円で買収し、2024年12月期中に株式の取得を完了する予定。ベクター・グループは米国4位のたばこメーカーで、紙巻きたばこの「モンテゴ」などを展開している。JTはこれまでにバングラデシュの現地メーカーを買収し、フィリピンやロシアなどでの値上げが業績向上に貢献している。JTの海外売上高比率が高く、円安も収益を押し上げており、新型コロナウイルスの影響からの業績回復を受けて、米国大手の買収による成長を目指している。JTの最優先課題は加熱式たばこのシェア拡大で、現在のシェアは5%にとどまっている。寺畠正道社長は、3年間で4500億円を加熱式たばこに投じる計画を示しており、赤字状態が続くものの、財務健全性は良好である。ベクター・グループの買収により、JTは増大するキャッシュフローを加熱式たばこの投資に充てる方針であり、これまでにも海外大手たばこメーカーを買収し成長を遂げてきた。加熱式たばこの普及に伴い、海外生産や新興国市場の開拓が急務とされている。

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