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新人育成で必要なこと

卒園式シーズンですね。
次年度の保育体制の発表など、慌ただしい時期になります。

あっという間に3月は終わり
4月には新任の先生が現場に入り
慣らし保育が始まります。

そんな中、重要になってくるのが
新任の先生の育成です。


1、新人育成の概要

まずは育成内容について
まとめてみましょう

①社会人としてのマナー
 →挨拶、電話対応、身だしなみ等
 →保育士という専門職としての倫理観、責任感、信頼性など
②所属園や法人の理念、保育方針
 →理念や方針に基づいた保育の実践(どんな保育を大切にしているか)
 →園の特色や強み、それらをどう保育に取り入れているか
③園内のルール
 →敷地内の案内から施錠方法、
 →備品などの配置や使用ルール
 →緊急時の対応(避難経路、避難訓練、広域避難場所)
 →衛生管理(感染症対策、清潔保持、割れ物や嘔吐時の処理の方法)
④当番毎の業務内容
⑤業務内容
 →クラス保育外の係や行事の存在や担当業務の概要説明
 →年間行事計画の理解と準備
⑥保育業務
 →園全体の保育の流れの概要説明
 →クラス内での保育内容や流れの詳細
 →クラス間の連携の必要性
 →子どもの発達段階に応じた保育方法や関わり方
 →各種記録(連絡帳、保育日誌、子どもの成長記録など)の作成方法
⑦保護者対応
 →受け入れ、引き渡し時の対応方法
 →保護者からの問い合わせ質問への対応方法
 →多様な家庭環境や個別のニーズに対応する方法や配慮事項
⑧保育者として自己成長
 →継続的な振り返りの機会の提供

育成と一言で言っても
内容は多岐にわたり
具体的な整理や役割分担と共有が
重要となります。

これができずに新年度を迎えてしまうと
折角入ってきた新任及び中途の先生は
右も左もわからないまま
業務にあたることになり
それが結果として
人による対応や認識の祖語や
「そんなこと教わってない」
「そんなルールや業務があるとは知らなかった」
という不満にもつながります。

2、「聞くより慣れろ」は無責任

「一度に何もかも詰め込んでも、覚えられるわけがない。」
「業務をやるうちにやり方を見よう見まねで覚え慣れるはずだ。」
という意見もあるかと思います。

それはそれで間違いではないのですが
それらにはある前提が必要です。

それは
「マニュアル化し周知されていること」
「フィードバックする体制が整っていること」

この両方が満たされている場合のみです。

毎年同じことを伝えるのですから
新人育成の内容は図や表を使って
視覚的にわかりやすくしましょう!

明文化されていないと
人によって伝えるニュアンスや
受け取り方に差ができてしまいます。
必ず「これを見て」と言えるマニュアルを作りましょう

また実践の中で慣れて学ぶ場合
必ずそれに対する行動の評価と疑問の解消を行いましょう。
やらせっぱなしでは「本当にこれでいいのか?」という不安や
反対にまだ不足があるにもかかわらず「これで完璧!」と
思い違いをされてしまう場合もあります。
必ずフィードバックを行う仕組みを作っておきましょう。

3、役割分担はできているか?

ここまで
「育成内容の整理」
「マニュアル化」
「フィードバックの仕組み化」
の必要性について説明してきました。
最後は「役割分担の必要性」ついて話したいと思います。

始めに整理した育成内容ですが
これはいったい誰が行うのでしょうか?
園長ですか?主任ですか?
リーダーですか?その場に居合わせた人ですか?

これらが全職員で共通認識されていない
新しく入ってきた先生だけではなく
全員が最終的に困ることになります。

①~④番や⑤,⑥番の内、
園内で共通することに関しては
新人研修の中で管理職(園長、主任)から
直接指導や周知を行いましょう。
※必ずマニュアルと一緒に確認するようにしてください。

他の先生は指導しなくて良いという意味ではなく
日常の中でできていないもしくは
失念していそうな場面で
その場に居合わせた先輩職員が気がついて
フォローをするという態勢
を事前に作っておきましょう。

⑤~⑧に関してはクラス内のリーダーを中心に
先輩保育士が指導やフォロー
をしていくことで
人による違いや認識漏れを防ぐことができます。

いかがだったでしょうか?
「○○先生のことよろしく!」と丸投げするのは
マネジメントとは呼べません。

「内容の整理と具体化」
「マニュアル化」
「フィードバック体制の仕組み作り」
「役割分担と全職員への周知」
この仕組みを管理職が整えて
初めて新人教育を行うことができます。

新年度は慌ただしい時間です。
新入園児だけでなく新任職員のフォローも
極めて重要な時期です。

「大人だから」「経験者だから」
「忙しいから」「時間がない」
で雑な扱いをせず
丁寧に対応に事前の準備を行いましょう。

特に管理職は現場の時間的・精神的な余裕作りという
園全体で子どもだけでなく
職員の育成という点でも
マネジメントの手腕が問われるときです。



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