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大豆的旅行記#1北海道編1-6結婚式はいい②

札幌から1時間半。

マイクロバスに揺られて結婚式会場のホテルへ向かう。

普段乗り物酔いはしないが、今回に限っては昨夜のアルコールが猛威を振るう。

2回ほど頭まで血流が上るように悪寒が走り冷や汗を出した。

少し姿勢を変えて頭を前に出していると少し楽なので、前の座席に頭をつけながら、難しい話を考えて考えを逸らす。

後ろの席では、今日のスピーチをする友人がぷつぷつと練習を続けている。言葉の速さが適切かどうかを確認しているらしい。

女性陣はヘアメイクをお互いにしあっている。いつもは見ないドレス姿に少しドキドキしてみる。


さて、そんなこんななんでもないことを考えていると、バスは突然道路から森へと入る。

クネクネとした砂利道を抜け、クラブハウスが訪れる。到着だ。

ゾロゾロと参加者がバスから降りる中、一目散降りてトイレへと向かう。

綺麗さっぱりトイレを済ませると、冷や汗もひき、大分好調。迎え酒の準備が整う。

参列者控室は広大な芝生の中に佇む、円形のログハウス。ギリギリ雨の降らない湿気纏う森の中を進んだ先にそこはある。何か悪巧みでもできそうな円形テーブルと、壁沿いにも1人がけソファが20個ほど並んでいる。昨日会えなかった同期とも今日集合する。なんか男はあまり成長していない感じだったが、女性陣はいかにもお姉さんになっている。

サークルで活動する時は男女の壁がほとんどなく、色気を醸成する機会がついぞなかったのかもしれない。久しぶりに会った彼女は転職をしたり、いろんなステップを踏んでいたり、やはり経験が人を作っていくらしい。まだまだこれからやれることは多い、色々やらなければならないだろう。このnoteだっていつか何かになったりするかもしないかもしれない。誰の役に立たなくてもいつか自分の心を助ける何かになりそうな気はしている。

そんなことを思いながら経験と成長に思いを馳せる。結婚式は筒がなく終わり披露宴へと移る。シェフこだわりの北海道産食材をふんだんに用いたコース。趣向の凝らされたミニゲーム。パートナーの友人にぎこちない笑顔で対応する新郎新婦。どれもこれも愛がある。人を思う時があるJT。やはり結婚式に参加しているとどんなことでもどんな未来でも幸せになる気がしてくるので不思議である。

これまでは自分の結婚式とか別にしなくてもいいかと思っていたけれど、もしした場合に参加してもらいたい友人のことを考えると、やっぱりあると嬉しいだろうし、幸せな気持ちになってもらいたいなと思う。

結婚は墓場だ、みたいな言葉もあるが、墓場にするのも自分次第。なぜかみんな墓穴を掘って墓場にしているだけなのではなかろうか。結婚はゴールではなくてあくまでスタート地点の方がよっぽど、真っ当な言葉な気がする。墓場だとそれこそゴールになってしまう。スタートしてからどこに向かうか、一緒に進んで行けるか、そういったことに慎重に真剣に向き合っていかねばならないのだろう。映画や小説ではきれいな夫婦関係もしくは猛烈に破綻した夫婦関係しか目に入らないが、さざなみのような、木漏れ日のような小さな揺らぎをきちんと感じ取れる結婚生活ができれば良いなどと理想を挙げていく。

兎にも角にも、結婚式はいい。

参加させてもらえるだけで幸せな気分にさせてくれる。

これからもどんなに遠くても、忙しくても、よばれた結婚式には参加して、幸せのエネルギーを無限大までチャージしていきたい。

次回 札幌の夜は長い③