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日本人の感性を養う「本物」の着物の魅力とは

株式会社Daiyuでは「結婚式」という事業を通し、日本人が昔から大切にしてきた文化や職人技術を継承することをミッションにしています。

本日はその中の一つ、「着物」のご紹介をいたします。

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日本人の美的・色彩感覚が生んだ「着物」

春夏秋冬、それぞれ移り変わる四季の気配と美しさを見出し、独自のものの考え方を大切にしてきた日本人
地震や津波など災害が多く、自然の脅威と共存することが必要とされてきた島国ならではの考え方で、西洋の「自然に起こる脅威は人間が対向し制御する」といった思想とは大きく異なります。

また宗教観においても、西洋がイエスキリストの教えを「信じる」宗教であるならば、日本は神様に力を「感じる」宗教です。
「八百万の神」という言葉があるように、山、海、木、植物、ありとあらゆるものに「魂が宿っている」と考え、自然と共に生きることを大切にしています。

このように、「自然と調和する」ことと「暮らし」が密接に結びついていた日本人。そんな、日本という風土特有の美的感覚、色彩感覚が生んだのが「着物」という文化です。

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昔から伝わる着物の製法は、熟練した技術による色調の豊かさ、絵柄に込めた幸せを願うストーリーを今に伝えています。
実は現代の着物は「日本の着物」といえど、西洋から取り入れたインクジェット方式で製造される方法が主流です。
安価で大量生産することができるので、それはそれでメリットがあることも事実ですが、やはり職人の手作業で仕立て上げられた「本物」には、機械では再現することのできない繊細な色・質感・風合いがあります。
そして何といっても職人が魂を込めてつくった着物には、何とも言えぬ迫力、佇まいがあるのです。

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わたしたちは、そんな着物こそ、一生に一度の結婚式で花嫁様がお召しになるのに相応しい「花嫁衣裳」であると考えています。

そんな「本物」の着物は、どんな技術、工程でつくられているのか、一部をご紹介したいと思います。

誰も創ることのできない「きぬたや絞り」

「絞り染め」の引き振袖は、布を糸で1つ1つ括り、染液に浸し柄をつけるといった、手間と時間のかかる伝統技法を使ってつくられています。
生地全てにわたって絞られた「総絞り」は、たった一着を作るのになんと20万粒も括られ、緻密な作品になればその製作期間は3年~5年。
気が遠くなるような細やかな作業によって、この独特の風合いが生まれています。

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そんな「絞り染め」の中でも、創立74年の歴史をもち「親子三代に渡ってお召しいただけるきもの」をテーマにしている「藤娘 きぬたや」さん。
創業時代からずっと変わらず「誰も創ることが出来ない絞り・誰も創ろうとしない絞り」という信念のもとに仕立てたお着物は格式高く、天皇皇后両陛下が主催される園遊会でも多数の著名人が着用になられたり、NYのメトロポリタン美術館に作品が永久所蔵されているほどです。

弊社の代表である宮腰とパートナーである衣装会社スタッフが買い付けに行き、直接職人の方の想いを伺った上で、萬屋本店に二点、引き振袖を仕立ててもらいました。

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淡く、複雑な色で染め分ける高度な技術は、他にできる会社がありません。
色を重ねてぼかす作業を通して立体感が表現され、まるで絞りに命が吹き込まれたかのような仕上がり。
美の極限に挑戦し、究極の総絞りを追及し続けた作品は、思わず息を飲んでしまいます。

「着る人」の存在感と美しさを最大限に引き出す花嫁衣裳です。

京手描友禅による「萬屋本店オリジナル色打掛」

もう一つご紹介するのは、京手描友禅着物の萬屋本店オリジナル色打掛です。
「加賀友禅」「東京友禅」と並んで日本の三大友禅として有名な「京友禅」は、最も古い歴史を持っており、刺繍や金銀箔が施され、多色使いで非常に色鮮やかなのが特徴。その豪華絢爛さは圧倒的で、世界中にファンがいます。
この華やかさは、隣り合う色が混ざらないよう、糸目糊で防染して模様を描き染めていく難しい技法、花鳥風月を優美にデザインする芸術性によって成り立っています。

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現代では、型紙を使って一度に大量生産できる「型友禅」が主流となり、模様の一つ一つに刷毛や筆で色を付けていく「手描き友禅」の伝統技術を持った職人さんは僅か数名しかいません。
図案から仕上げにはなんと15~20工程を要し、京都ではこれを各職人さんが専業分業化しています。

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今回萬屋本店では、この京手描友禅の工程を全て統括する染匠「藤井寛」先生にオリジナル色打掛の開発をお願いしました。
通常では工程によって各職人さんに外注を行っているのですが、藤井先生は自社の工房を構えています。そして、全行程の職人に高度な技術を求め、一切の妥協もありません。

萬屋本店の会場の雰囲気を伝え、下絵から染め、仕上げまで全てプロデュースしていただいた色打掛は、コクのある色合い、繊細なグラデーションが施され、まるで一枚の絵画のような美しさで、見る人を魅了します

花嫁さんの気品、凛とした強さ、優しさを引き出してくれる、優美な色打掛です。

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スタイリングは「大人の引き算」

ここまでは、萬屋本店で取り扱っている着物の職人技術をお伝えいたしました。
私たちはプロとして「本物を取り扱う」ことに拘り、誇りを持っています
そして更に、その着物を着る人にぴったりとコーディネートしていくことまでを大切にしています。

なぜならば、着物は美術品ではなく、やはり着る人のためのもので、その人が輝いていてこそ本当の価値を発揮するものだと思うからです。
伝統的なお着物も、小物合わせやヘアメイクの合わせ方でがらりと印象が変わります。
現代の女性が「素敵!やってみたい!」と憧れるようなスタイルを提案するには、着る人の魅力と、着物の持つ個性のバランスをどうとるかが大切です。

萬屋本店ではスタイリングの考え方を「大人の引き算」とし、魅せるポイントを絞ったら、重ねたり持ったりするのではなく、削ぎ落していくことを大切にしています。

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《大胆に編み込んだヘアスタイルにはあえてヘアアクセサリーはつけません。潔く、魅せるものを決め、洗練された印象に》

実際のお客様のスタイリング例

実際に、素敵なスタイリングをされたお客様がたくさんいらっしゃるので、少しご紹介いたします。

①気品ある落ち着いた女性像

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黒の総絞りの引き振袖に、黒の帯でシックに。そこに少しエッジの効いたヘアスタイルを合わせ、遊び心をプラスしています。
小柄なご新婦様ながら、凛とした気品を感じさせるコーディネート。

②優しく、柔らかい女性像

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ヴィンテージ着物をチョイスしたご新婦様。引き振袖はタイトにまとまるので、ヘアでボリュームをもたせバランスをとり、柔らかさを表現。
柔らかい色でまとめ上げた小物も色白肌のご新婦様によく合っています。

③潔さと可憐さを合わせ持つ女性像

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ショートヘアでクールな印象のある新婦様には、あえて可愛らしさが引き立つ色打掛を。透明感のあるヘアメイクと柔らかい衣装の絶妙なバランスで、旦那様の横に立った時に可憐な魅力が際立ちます。

④知的でモダンな女性像

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鶴の刺繍が映える黒の色打掛の中には、昔の振袖をリメイクしたアンティーク掛下を合わせました。小物で色遊びをしたぶん、ヘアはすっきりとかんざしのみにし、粋でモダンなスタイリングを叶えました。

「本物」を継承すること

技術の発展により、古きものが新しい技術に次々に取って代わっていく世の中になりました。
実際に、今回ご紹介した着物の技術も、その技術を受け継いでいるのは日本国内でたった数名。その職人さんがいなくなってしまったら、素晴らしい技術を失ってしまうところまできています。

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そういった時代の中で、私たちができることは、「本物」の価値を伝え、後世へと残していくことです
「本物」は効率化や利便性だけでは計れない「人として大切にしたいこと」を私たちに教えてくれます。時代に逆行するかのようですが、そんな日本人としての感性を養うことができる文化を守る会社でありたいと思います。

私たちはこれからも、結婚式という大切な一日に纏うにふさわしい衣装を厳選してご用意します。それは「美しい記憶」として、これから先の時代にも継承されていくと信じています。