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【はじめに全文公開】ありのままの私を愛することを牽引する韓国コスメブランド”ジョン・センムル”翻訳本発売決定

『私は今日も私を信じる 「自分だけの魅力」の磨き方』(ジョン・センムル 著/藤田麗子 訳)を2021年6月24日に発売します。

今、音楽、ドラマ、文学など、日本でも何かと話題の韓国。
オルチャンメイクなど美容に関する話題もトレンドとなっています。
特に日本でも美容系インフルエンサーがこぞって太鼓判を押す韓国コスメブランドが”ジョンセンムル”です。

ジョン・センムルさんは、グローバルで活躍する韓国トップメイクアップアーティストであり、韓国で一大ブームとなった”透明メイクアップ”のテクニックを最初に取り入れた人です。
どんな肌の色・質感でも、陶器のように透明感のある肌に仕上がるテクニックは韓国美容界にも大きな影響を与えました。

映画『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョン、フィギアスケートのキム・ヨナ選手のメイク、と言われれば、思い浮かぶ方もいるかもしれません。

50代となった今も第一線で活躍し、数々の有名トップ女優さんたちからも絶大なる信頼を寄せられ、指名が後を絶たない韓国美容界のトップに君臨しています。

本書は彼女の苦労の多い生い立ちから夢を叶え成功するまでを回想しつつ、“自分だけの魅力”を磨くために女性たちをエンパワーする1冊となっています。
またジョン・センムルが長年かけて確立したメイクの基本公式も収録されています。

韓国で発売された原書のカバー

本書の”はじめに”を全文公開します。

人生の変化は、自分を信じた瞬間に始まる

10代の少女の頃の私、あの子が突然、ここに、今、私の前に現れたとしたら、親しい友に会ったときのように嬉しく迎えることができるだろうか?
私にとってはきっと奇妙で、遠い存在に違いないけれど。 

 ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩「10代の少女」の冒頭を偶然読んだとき、ハッと胸をつかれたような気分になった。今、目の前に10代の頃の私が突然現れたら、はたしてどんな感じがするだろうか。

 痩せ細ったその10代の少女は、画家になりたかった。
 母の本棚からレンブラントやレオナルド・ダ・ヴィンチの画集を抜き出して、いつかこんな絵を描けるようになろうと夢を育んでいた。
 しかし、家計が傾いて高校の入学金すら払えない境遇になると、すぐに少女は美大の入試を諦めてアルバイトを始める。入学金を払えなかったことにこれ以上引け目を感じたくなくて、
弟妹の運動靴を気兼ねなく買いたくて、授業が終わるやいなや延ヨン世セ 大学の工学部に駆けつけて教授のおつかいをこなし、車を運転して、机を並べた。
 夜になると、少女は仲睦まじい家族や素敵な女性の写真を新聞から切り取って、きちんとスクラップした。そのイメージがまるで未来からやってきたカタログであるかのように、10年後、20年後の自分はこんな姿になるだろうと固く信じながら。
 今その少女が、いつも孤独だったけれど気丈で忍耐強かったその少女が、目の前に現れたとしたら私は尋ねてみたい。誰に命じられたわけでもなく、誰に教わったわけでもないのに、あなたはどうしてそんなことができたのか、と。持っているものは何ひとつなく、助けてくれる人もいなかったのに、あなたはどうしてあんなふうに自分の未来は明るいはずだと、素敵な大
人になるだろうと信じることができたのか、と。
 
 30年後、その少女が信じていたことは現実になった。
 アルバイトとして3年間出入りした延世大学工学部で、今では毎年、特別講義をしている。頼もしくて細やかな気配りのできる一人の男の妻となり、健康で活発な二人の娘のママになった。夢見ていたファインアート(純粋美術)を勉強するために留学もしたし、自分の名前を掲げたメイクアップブランドとアカデミーもつくった。
 このすべての日の始まりを、私はその17歳の少女に見る。あの少女の熱望と未来への信頼が、今日の私をつくったのだとわかる。だから今、私の目の前に彼女が現れたとしたら、抱き締めてあげたい。痩せぎすの縮こまった肩を抱き、優しくトントン叩きながら言ってあげたい。ごくろうさま、本当にありがとう、と。

 私がもっとも重要だと考えている言葉は”透明メイクアップ”と”パーソナルカラー”だ。
 この二つの言葉は双子のようなものである。その根底には、「他人と比較せずに、もっとも自分らしい美しさを探そう」という哲学があるからだ。他の人と自分を比べてしまうと、外見について常に不満を抱きがちになる。でも、自分をじっくり観察して、ぴったり合ったパーソナルカラーを見つけると、どんな流行りやどんな尺度にも揺らぐことのない自分だけの美の基準が生まれる。そして自分を否定することも隠すこともなく、他の人をやみくもに真似るのでもない、私らしい私になるためのメイクアップができるようになる。
 私も揺れたことがないわけではない。自分を否定したくて、濃いメイクと突飛なファッションに執着した時期があった。しかし、すぐさま17歳の頃の私が現れて、自分を諭した。私が本当に望んでいる姿はこれじゃない、自分を隠しながら他の人みたいになろうとしたって真の価値を発見することはできないよ、と。
 自分がどんな人間なのか、何を望んでいるのかを直視したとたん、初めて私の価値が見えてきた。そればかりか、他人の価値も見えるようになった。他の誰とも比べられない、まさにその人だけの価値。そこに着目すると、メイク法が変わった。流行りのメイクを誰にでも画一的に施すのではなく、その人が持って生まれたラインときめに合わせて、固有の魅力をもっとも引き立たせるメイクをするようになったのだ。それで、ジョン・センムル・ビューティーのキャッチフレーズも「Beauty starts from you. Just believe」に決めた。
 美しさは、自分を知り、自分を信じるところから始まる。
 いや、それだけではない。人生において起こる変化はすべて、自分を知って自分を信じるところから始まる。
 この本では、こうしたシンプルな真理をお伝えしたい。自分を知って自分を信じなければならないという、誰にでもできて、誰もが知っているように思えるこの言葉が、どれほどパワフルで大きな影響力を持っているのか、
17歳のしがないアルバイトが”スターメイクアップ・アーティスト”を経て、”Kビューティーの先駆者”になった、その奇跡のような物語が、ほ
かでもない自分への信頼から始まったということを伝えたかった。
 そして17歳の頃の私のような表情をしている誰かに、今しっかりやれていますよ、何もかもうまくいくはずです、そう信じてください、と囁きかけたくて書いた。
 この世のすべての人に自分を信じてもらう必要はない。私なら成し遂げられるはず、きっと夢が叶うだろうと自分自身が信じてあげれば、私が私を信じてあげれば、それで十分だ。
 こうした思考は純真すぎるのではないかと考える人に、私がよく引用するこの文章をお伝えしたい。ドイツの心理学者であり、ビジネス系の専門家であるイェンツ・ヴァイドナー(JensWeidner)が著書『知的な楽観主義者』(未邦訳)に記した言葉だ。

 未来は明るいと信じる人だけが、その結果をもたらすための意欲を燃やすことができる。バラ色のメガネをかけた人こそが最終的に黒字を生み出すのだ。

 この本によって、バラ色のメガネをかけた同志が増えることを願っている。
 ジョン・センムル・インスピレーションとジョン・センムル・ビューティーのスタッフに、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたい。そして、ジョン・センムル・アート&アカデミーに通った数多くの受講生たちの幸運を祈る。この本のために労を惜しまなかったビジネスブックスの関係者のみなさんにも感謝を申し上げる。最後に、愛する私の家族、ユ・ミンソク氏と、アイン、ラエルにこの本を捧げる。
2020年夏
ジョン・センムル


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