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正義の高齢者問題

よくインターネットが若者に及ぼす悪い影響について議論されていましたが、実際に蓋を開けてみるとインターネットに悪い影響を受けたのは中年から高齢者だったのではないでしょうか。

生まれた時にすでにあったテクノロジーを私たちは一つの環境として受け入れます。テレビの悪影響も散々懸念されましたが子供達はすくすく育ちました。古くは絵の入った本(絵本)は子どもの想像力を奪うと懸念された時代もありました。

インターネットも散々心配されましたがおそらく子供達は大丈夫だと思います。

しかし、中年以降の人間は違います。人生の途中で急にやってきたインターネットに翻弄されている人も見受けられます。

暇になった高齢者が一日中SNSを見て、そこに出てくる陰謀論情報を信じて、残りの余生を世直しのために立ち上がったような例が少なくありません。

私はこれを「正義の高齢者問題」と呼んでいます。

何かに夢中になること自体は素晴らしいのですが、その正義が暴走して攻撃的になっているなら、客観的に見れば「インターネットに飲み込まれてしまった高齢者」です。あまり社会にとっていいことはありません。

身内だった場合はさらに大変です。よそから見ればおかしな人でも、愛する家族の一員です。

私の直感では、オレオレ詐欺よりも陰謀論の方が被害は大きいです。陰謀論は家族の絆も奪っていきます。

コンテンツは今もまさに世界中で作られていき、AIとフェイクニュースの組み合わせで、世界は違う現実を生きる人がもっと増えると思います。

このような未来に対して、私は「好き」「楽しい」で集まる緩やかなコミュニティが陰謀論への免疫を高めると思っています。正しさは正しさで止められませんが、面白さと笑いで俯瞰的になることはできます。一旦笑ってみると「なんであんなことで思い詰めていたんだろう」と思うことは少なくありません。

私は自分たちを自虐的に笑うコミュニティにいます。自分が陰謀論にハマらないという自信がないからです。自分で自分を笑っていられる、経験上これが最も陰謀論への免疫を高めます。

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