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自分を信じる力は獲得可能か

昨日は「自分を信じる力」について書きました。疑問として浮かぶのは以下の点です。

①自分を信じる力は誰にでも獲得可能か
②自分を信じる力は生涯継続されるものか
③自分を信じる力が得られる条件とは何か

私は「自分を信じる力」の定義を「データや他者の意見より自分で考えた結論や直感を優先すること」としています。私は思い込みの強さと相関があると考えました。

思い込みの強さの背景には生得的な性質があると言われています。私は自閉傾向であったり、ビッグファイブで言われる協調性の低さと関係していると考えています。これらは生得的なものなので「自分を信じる力」の半分以上は生まれた時点で決まっていると考えています。たくさんの成功したアスリートや、起業家のストーリーを読むと幼少期に周囲とトラブルを起こした例がたくさん出てきます。協調性がなく、自分の意見を頑として譲らないなどです。つまり信じようとしているというよりも、特性として自分で考えたり思い込んだものを優先しがちなタイプです。むしろ、そのことを悩んでいることすらあるのだと思います。生得的なものであるならば、努力で獲得できないのかと問いが浮かびますが、私はできると考えていて理由は後程説明します。

「自分を信じる力」は生涯にわたって変化しない力なのでしょうか。人間は経験が浅い方が思い込みやすいと私は考えています。国境なんてものはなくなって人類はいずれ一つの国家になるかもしれないと若い時妄想していましたが、現実を知っていくとそんなことは到底有り得ないと考えるようになりました。知識を得るということは、できていないことにはそれなりの理由があると理解することでもあります。けれどもそれは同時にあり得ないような夢を描いてそれを信じ込む能力を失うことでもあります。大人になる程現実的な目標を追いかけがちなのは、知識と経験によりあり得ない夢を信じにくくなるからだと考えています。また10代の脳は他の世代と違うことも知られています。私は「自分を信じる力」は生涯にわたって維持されるわけではなく、10代から20代でピークを迎え、その後経験を積むと共に弱まっていく傾向にあると思います。

大人になって自分を信じる力が強すぎる人は「思い込みが強い人」と認識されることは多いのではないでしょうか。頑固になりすぎて社会と軋轢を生んでいたり、傷つきすぎて自信を失っていたり、または社会的に成功していたり、というパターンではないかと思います

さて「自分を信じる力」は生得的なものが大きいと書きましたが、後天的にも獲得可能だと思います。それは小さな成功体験を繰り返し、かつそのことを自分で認識しまた周囲がサポートすることで、少しずつ「やればできる」という感覚が身に付いていくのだと思います。私の人生はそんなに壮大なことを最初から信じられたわけではありませんが、やってみたらできた、周りが温かく見守ってくれた、君はできると信じた人がいた、などの条件が揃い少しずつ「自分を信じる力」が増していったように思います。

まとめますと、

・自分を信じる力は生得的なものが半分以上だが、一定量は後天的に獲得可能
・世間を知らず脳も未成熟な10-20代で信じる力は最も大きく以下減少する傾向にある
・信じる力を獲得するには小さな成功体験を積んで自分を信用させることが大事

だと思います。

信じるとということに対しての大きな問いは「信じようとしている時点で、信じていないのではないか」というものです。大人になろうとしている時点で大人ではなく、大人は自らが大人であることすら意識しないというのに近いです。このようなレベルの「自分を信じる力」がどう身につけられるかはなかなか答えきれないものですが、少なくとも方法論的に到達するものではないと考えます。


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