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【1次試験編】”コスパの悪い”森林インストラクター合格体験記

今年度、森林インストラクター試験を受験し、合格することができました。どういう資格でどういう試験かというのは、たくさん情報が出ているのでここでは割愛。

どういう勉強を行ったのか、備忘録もかねて少しまとめてみたいと思います。まずは一次試験(記述)についてです。ちなみに森林レクリエーション協会の行う養成講習は受けていません。いわゆる独学です。

また、初めに断っておきますが、私の勉強法はまったく効率を考えたものではありません。お金も時間もかなりかかっていて、いわゆる”コスパ”は超悪いです。

受験の動機

試験を受験した動機ですが、一つ目は、自分の知識を整理し、森林の知識を学び直したかったため。後述しますが森林に関して私は全くの初学者ではありません。ただ、頭の中の知識がごちゃついており、人に上手く説明できる状態ではありませんでした。
二つ目は、環境教育や自然体験に以前から興味があったため。学生時代にも子ども樹木博士という活動や、小学校での環境教育プログラムの現場の手伝いを行ったこともあり、これからもそういった活動をやってみたいと思っていました。資格を取得し県の森林インストラクター会に登録すれば講師の依頼が来ると聞いていたので、その機会を掴みたいと思いました。

持っていた前提知識

まず、私は大学で生態系や森林科学について学べる学科に所属していました。完全な森林科学専攻ではなかったので知識にムラはありましたが、森林について知識の大枠は理解していました。また、樹木の葉を同定する授業があり、図鑑の使用方法や判別のポイントを習得していました。また、林業大学校での研修も修了しており、現在は林業の現場作業員として仕事をしているので、林業で行う作業や目的についても一通り理解していました。
また、森林インストラクター試験の前年に生物分類技能検定の3級を取得しました。これは森林インストラクター試験の過去問を見たときに、鳥や昆虫など、個別の生物の名前や特徴を理解していた方が学びが深まると考えたためです。鳥や昆虫など、今までなじみの無かった生き物たちについてひたすら図鑑を眺めました。「試験」というもの自体が久々だったので、脳を慣らし勉強する習慣を作るのにも良かったと思います。

参考書籍

正直に言って、森林レクリエーション協会の出版しているテキストと過去問を読み込めば合格はできると思います。そしてそのやり方がいわゆる”コスパ”は一番良いと思います。

テキスト(中央)、過去問(右)

私の場合、”学び直し”も目的だったため、すでに持っている本や図鑑を参考にしたり、以前から読みたかった本を購入したりしました。

本棚の一部
図鑑シリーズ
森林・林業分野で特に使用したもの

図鑑に関しては学生時代に集めたもの、生物分類技能検定の受験にあたって集めたものなど様々です。図鑑は集めだすと欲しいものが増えていく沼なのでご注意ください。

勉強方法

さて本題の勉強方法です。本腰を入れて取り組んだのは受験年の春~9月の一次試験までの半年強。
取り組んだことはざっくり以下の通り。

・テキストの読み込み
まずはテキストを読み込みました。蛍光ペンを持って重要部分に印をつけつつ、試験範囲の全体像を理解していきました。

・樹木見分けシートの作成
森林分野で樹木の見分け方についての問題が毎年出ていたので、図鑑を参考に自作で見分けシートを作成しました。見分け方のコツのみではなく、分布や名前の由来、木材の利用方法などもまとめ、周辺知識が頭に入るようにしました。

・過去問
科目、分野ごとに過去問に取り組みました。出題傾向の把握に役立ちました。間違えた点や分からない点はテキストや本で知識を補強しました。

・記述対策
過去問のなかで特に重たいのは記述です。①ノートに問題を書き、②テキストや本から必要と思う情報を箇条書きに書き出し、③それを文章にし、④模範解答を見ながら赤ペンを入れる、ということを繰り返しました。模範解答に違和感がある場合も多かったので、途中からなるべく自分で文献をあたって文章を作るようにしました。

・模試
過去問を1年分取って置き、時間を測って解きました。時間配分の練習になりますし、脳や手の疲労具合が把握できて良かったです。

・読書
過去問を見ると、出題傾向は大きくは変わらないものの、例年いくつかはイレギュラーな問題があると感じました。どんな問題が出てもある程度の回答ができるように、周辺知識を固めていきました。

・山に行ったり生き物を眺める
私は職場が山なので笑、仕事の合間に草木を観察したり、鳥の鳴き声を録音して同定したり、意識的に森林の生き物に注意を払うようにしました。勉強の息抜きも兼ねて、近隣の山に登山に行ったりもしました。試験は紙とペンとの向き合いですが、なるべく実物に触れることが大事と思っていました。

この方法がおすすめなわけではない

以上の勉強を経て、無事に一次試験を合格することができました。ただ、私の勉強法がおすすめな訳ではありません。人によって前提の知識レベルも違いますし、受験の目的も異なれば、勉強方法も変わってくると思います。
私は試験を通して、ある程度、曖昧だった知識を学び直し、端的に説明できるように整理ができたので目標達成です。ただ、勉強してみてまだまだ分からない部分もたくさんあります。今後も勉強を続ける必要はひしひしと感じました。

これにて一次試験編は終了です。二次試験(面接、実技)については以下からどうぞ。


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