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ありとあらゆる"美しさ"で泣いちゃった話。(舞台「Arcana Shadow(アルカナ・シャドウ)」観たよ。)

※登場人物の好きだった部分などネタバレありで書いています。文にもならない、ただのオタクの乱文です。ご留意ください。1度のみ観劇した私の主観を含みます。それが作品の意図なわけではなく、あくまで個人の考察ですので、ご注意ください。
ちょっと把握が難しいところも多かったので…!



発表があった時に公演が1週間程度しかないと聞き、「行けんのか?私の仕事!…行~~~~~~~~~く!(It's my lifeのBGMと共に休暇提出)」とした舞台を観に行きました。それがこちら、「Arcana Shadow(アルカナ・シャドウ)」です。


「西田大輔さんの舞台はいいぞ。」
という前情報を毎度おなじみTwitterのDMにいらっしゃる有識者様から仕入れていたため、それは観に行ってみないとなぁと思っておりました。舞台初心者なんで、今はキッカケを貰ったらなんでも観てみなければね。

西田大輔さん、調べてみたところ当たり前ですが舞台は勿論沢山やってらっしゃいますし、どうやら私の大好きな"ジョーカーゲーム"を舞台化してくださったのも西田さんのようですし、
私の大好きな"世にも奇妙な物語"の一編「日の出通り商店街 いきいきデー」の脚本を書いてらっしゃるのも西田さんと言うことで大興奮してしまいました。(最高だから皆様見て欲しい。船越英一郎さん主演のやつです)


こんな短期間でまた"ここ"に来るとは。


いきなり感想書かせていただくんですが、
とにかく眼前に広がる全てが美しくて、感動しちゃいました。
舞台美術、衣装、装飾品、歩くたび座るたび戦うたび上から足元から舞い踊る花、照明、音楽…。登場人物も全員美しい(あらゆる意味で)なので、
もう本当に、とにかく、全部です。
設定資料集的みたいな、衣装とか舞台美術とか解説した画集的なの欲しい。

ストーリーは、公式HPでご確認いただきつつ、前半は主に平安時代で起こっている藤原伊周(蘆屋道満)サイドと藤原道長(安倍晴明)サイドの対立と、式神・望月ちゃんの謎を追うお話。
後半はその対立の収束まで&過去の"空白の354年"のどこかのお話。(で、よろしいんですよね!?)で構成されていました。
(以下、過去のターンを、空白期間と記載します)

前半、登場人物たちの関係を把握しつつ、これからどうなって行くんだろうか…と、結構予想できないまま後半突入したら、現在の人間関係が前半以上に掘り下げられて&それぞれが空白の時間を生きていた部分が見えてきて切なくて苦しくてでもやっぱり世界は美しくて残酷で滅茶苦茶泣いてしまった
それがまぁ~単純な話ではなくて、気持ちが寂しくてしんどくて、「皆幸せエンドになんないかなぁ~~~!」って泣きながら思ってました。
だって本当に、登場人物全員、客側から見たら、本当はいい人たちで、いい式神たちだったから。根はね。(☜重要)

この物語は、"人"の物語だなと思いました。
セリフにも沢山、出てきていましたね。
人に必要なのは、人。
良き未来を作っていくのも、人。
陰陽道は、人の祈りでしかない。
そんな中で、人間同士の関係も、勿論人と人在らざる者の関係性も絆も美しく儚く切なく、時には晴れ晴れ、時には笑い、時には心にズシンとのしかかって来ましたよ。

空白の戦いも、平安の戦いも、それぞれの人がそれぞれの人を想いながらも、それでも結果、起こってしまった事件であり、空白の期間に生まれてしまった擦れ違いを"理解り合うため"に巡った物語。
本当に、美しくて儚い物語。
大団円ハッピーエンド!という形ではないけど、なんだか晴れやかな気持ちで観終えました。

今回、杠役の木崎ゆりあさんが前半、安倍晴明役の松島勇之助さんが後半、体調不良でお休みとなってしまったんですね…。
そんな危機も、それぞれ、田中良子さん・村田洋二郎さん(ご夫婦だとか!かっちょよすぎるな!?)が代役に入り、2公演はお休みになってしまったものの楽日まで走り抜けたという…リアル絆を見せていただき、舞台とリンクするなぁと思って、感慨深かったです。
諦めない。と言ったら諦めない。強いな、人は。
諦めが悪いって、素晴らしいことです。


あと多分、主軸には関係ないんですけど、滅茶苦茶"手"が印象的な舞台だったなと。
登場人物の手のしなやかで細かな動きとか、自らの手と手を鳴らす場面とかがとても記憶に残っていて。
なんなんですかね?(知らんですよね)

藤の花も見に行きたくなっちゃう系舞台。見頃は5月くらいまで…また来年!




※これから各人物別感想を書きますが、ネタバレを含みます。

◎まず式神の話して良いですか?
アンサンブルの皆様がやってらっしゃったんですけど、キャラ立ちすぎてて素晴らしい。
武器も性格違くて"宿"と呼ばれる各々特別な力も持っている。オタクはそういうのが大好きなので、式神全員好きです。

中でも六合、私の式神として一生一緒に居てくれや。
(蘆屋道満と三木道三、一瞬似ている)
絶対癒し系。仕事から帰ってきて「へぇ、お疲れさんでさァ…おや、お肌が疲れてますねぇ…(シュッシュ⇽美容液を霧吹きで噴射する音※そういう式神です)」とか、された日にはもう、抱きしめますわ。
あとちょっとチャラ系の「十六夜童子じゃ~~~ん⤴︎⤴︎」みたいな登場したキミ、覚えてるぞ。
こういうチャラ男系式神はオタクの心を地味に掴んでいきますからね。
いやでも本当に、本当に式神全員好き。
皆様式神だけじゃなくて藤原勢力の武士達も演ってたんだよな~~~凄いわ~~~。
皆様見事でございました。ありがとうございました!お疲れ様です!



※空白の期間の時、十六夜童子はヤマト、道長様はフジと言う名前で生きていたため、以下、ヤマトとフジと言う人物が普通に出てきます。


◎蘆屋道満: 林一敬さん
・軽めで溌剌としてて明るい人物かと思いきや、空白の時に出会った彼らの因果と結末を知っていて、自分の命を犠牲にしてでも平安の世では彼らをなんとか"救おう"として動いている美しく優しい男だった。
(※この辺難しくて…私からそう見えたというだけで、それが正解なのか、一回見た私の感想だけでは計り知れないのですが…)
晴明との、師匠との、関係も、破綻してそうだったけど、結局道満は晴明も師匠も好きだったんだよな(そうだと言って)。だから大事なことを、絶賛敵対中だった2人に、チャリ(お名前失念して…自転車に乗った式神さん)に託して伝えたんですよね。空白期間に出会った人も、平安を共に生きた人も全員大事にしたかったんだろうな…。

・平安杠ちゃんとの関係と空白杠ちゃんとの関係…。空白の時に出会って思い合った女性を、彼女の望み通り式神として復活させたんですね〜。
オタクは時を超えても変わらない"恋"と"純愛"がたまらなく好きなので泣きに泣きました。
サヨナラする言葉が静かで優しい「おやすみ」なの爆泣き案件なのでやめて欲しい(嘘…やめないで…)。
(ところで「おやすみ」を予測済みだった晴明is何。)

・高級美顔器使ってそうって劇中でも突っ込まれてましたが、マジで高級美顔器使ってないとおかしい美人だった。え?ナチュラルボーン美人なんですか?…そうですか…。
カテコ、手紙を読んでいるにもかかわらずお礼がワチャチャッとなっちゃってたの可愛すぎたし、呼び出されるたび、隣の鈴木さんに縋るような目を向けていた(カテコの挨拶を教えたのが鈴木さん)のがチワワのようで尊かった…。
この先も心の底から頑張って欲しいと思いました。私の泣き腫らした顔に、笑顔をくれてありがとうございました。


◎望月:伊波杏樹さん
・こんなん皆好きになる。(短答直入だがそれが全てさ)
空白期間の因果を、花として見守って見届けた、道満ともう1人のこの子。フジ側・ヤマト側どちらも自分にとっていかに優しい人達で、いかに苦しんでいたかを知っているからしんどい。
忘れてるから子供のようでもあり、でもその全て分かって包み込んでくれる優しさはお母さんみたいでもあり、最高に綺麗な澄んだ人だった。

・彼女の正体である"木蓮"の花が咲くのは春。ということで、空白の時の春に咲いて、夏と秋を楽しく過ごして、冬に"炎"の音を聞くような事になってしまって…ということなんだよなきっと。彼女が最後、純粋な冬の音が聞けて本当に良かったな。と、舞台観劇最後の涙は彼女に持っていかれました。道長様からの、仲間たちの中心で眠っていた彼女のハッとした表情、それだけで泣ける。表情と少しの動きだけで、感情が伝わる、すごく良い演技をする方だなと感じました…。

・伊波さん、も~~~めっちゃ心地よい話し方&声の方で、所作がいちいちお美しくて、コレちゃんとキャッキャもできて本当に可愛さもあって好き…となってしまった。キモイこと言うんですけど、ずっと隣にいて、なんらか話していて欲しい(本当にキモイ)好きです(告白)



◎安倍晴明:村田洋二郎さん回
・なんで安倍晴明ってメディアミックス化されると決まって凛々しくて上品で独特の色気があって大人で腹の底が見えなくてカッコよくて美しくて最高なの?この舞台でもそうです。
どんな時でも冷静沈着、後の展開を読みながら独り、"祈り"を捧げる。道長のこともちゃんと守ろうとするし、源氏をはじめとした仲間に対する情もある。冷静に諭す力もある。完璧か?安倍晴明is何。

・道満を悪と公言しておきながら師匠と並んでかそれ以上に道満のこと心配していて、彼の自己犠牲を止めたがっている兄弟弟子…。
でもどこかやっぱり、師匠に自分より愛されていると思う道満に、一種の嫉妬が顔を出しているように見える。
「人でありたい」から、人在らざる力のような陰陽師としての術を「祈り」と呼んでるって事なんですか?トータルして安倍晴明is何。激重感情を抱いてしまう。
あと、オタクは四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)ネタが大好きなので、オタクは全員晴明の攻撃が好きです。間違いないです。

・代役ってマジですか?準備期間恐らくトータル1日も無かったんじゃないかと思われるのですが印とか手の動きとか立ち回りとか台詞とか全部圧巻だったんですけど安倍晴明が取り憑いたんですかね。カッコイイ…///と思ってたらカテコでいきなり「七夕に短冊で仕事が欲しいって書いたら夫婦共に仕事が来た。七夕はすごい🎋」という話を始めて私も七夕はすごいってなった。
村田晴明かっこよ過ぎた。
私は松島さんの晴明を見ることはできなかったけど、感想を見させていただく限り、松島さんの晴明も素晴らしかったのでしょうな〜!


◎十六夜童子:西銘駿さん
・散々恐ろしい鬼ボイスで「眠い!」と言って道満と晴明を蹴散らしていた男が、式神として現世に顕現した瞬間、すげぇイケメンで「おっす!十六夜童子だよ★」みたいな感じで話し出してしかも最強キャラだと分かった途端「こいつはオタクを狂わす存在になる…(スカウトマンの目線)」となってしまった。
十六夜童子の人間時代のヤマト様なんですけど、フジ様達と一緒に日本を作っていくような良好な関係だったのに裏切られちゃったらそりゃ顕現した瞬間から"道長逃がさないマン"になるよね。
あとヤマト、遠吠えみたいなやつ何アレカッコイイ。野生児ズルい。
仲間も呼応して遠吠えし出すのズルい。

・殺陣が最強に相応しく余裕たっぷりで軽くてカッコイイ…し、なんか他の方と違うな、違和感あるなって思ったんですけど、彼の刀だけ直刀だったんですよ…。普通に曲がってる刀より切れ味はあまり良くないとのことなので、その刀で最強なのは本当にいけません。僕の考えた最強のキャラすぎます。

・西銘さん、お顔きゅるんきゅるんだし、お花の涙の話のくだりとかでとても優しい話し方をなさるし、登場人物の中でも他者に対する感情が分かりやすくてあんなキャラなのに感情移入できる人物/式神像を作り上げていて凄い良かった…。


◎藤原伊周:安西慎太郎さん
・"伊藤"の伊に"周回遅れ"の周と書く男。通称コレちゃん。推せる。
超陽気で浮かれて出てきた瞬間何事かと思いましたが、闇と野望を心に隠して道化を演じている節のある人物は非常にグッとくるので大好きです。
道長との話の嫌悪をさらけ出す部分、父の死に際に「普通の家に生まれたかった(?)」と告げたり、最期の最期に天下を取りたいと本気を出したり、平への気遣いや思いやりだったり、"空白期間"での兄だった道長様との泣きの慟哭や優しいフォローetc…惚れちゃう。ギャップの塊か。
極めつけは望月(紫)への優しさと句よ…。
勘弁しろよコレちゃん。

メッタメタにメタなキャラクターで天井から降下してきた木の枠組みに対して「木の素材の何かが降りてくるよ…」や、藤原家を説明するにあたり道長の名前のデカさがどんなにウザイかを"大崎止まりの電車"で例えたり舞台上でアミノバイタル持ち込んだり鉄の心臓でウザさMAXのモノノケダンスを止めなかったところ、素晴らしい。デッドプールみたいで好き。あと、"足止め組"の六合ちゃんと源と3人のちょっととボケた共闘シーンも安心感あって好きだったので、ずっと3人仲良くしてて欲しかった。

・安西さんの演技、初めて観たのですが凄まじいですね。いかなる時も会場の空気を自分のものにしてて、おちゃらけターンも真面目な時も客全員自分の味方につけててヤバかったです。叫ぶ姿もド迫力。皆コレちゃんが好き。
カテコの素顔も期待を裏切らない明るいあんちゃんで最高に元気貰いました。


杠:木崎ゆりあさん
・無邪気な元気っ子+強い=正義です。
しかも!夜になると別人格が目覚めて強くなる…と言う最強設定。
しかも!式神に対しても人間に対しても傷の治癒とかも可能。最強設定。
舞い踊るような攻撃でしたねぇ…。
剣と扇子、攻撃パターンが変わるので練習量すごかったんじゃないかなと…。

・道満のパートにも書いたんですけど、時を超える純愛は大好きなので…。
彼女との別れを知ると、彼女の発する「おはよー!」が当たり前のセリフだけど、当たり前ではないものだったのだなとしんみりてしまいました。
どんな時も道満の前でも伊周の前でも気丈に明るく振る舞って、でもどこかに不安と悲しさを隠し持っていそうな影が、とても魅力的なキャラクター、道満に対する愛が深すぎて、
「あたしはあんたが1番嫌いだった。道満の邪魔をするから(ニュアンス)」
とか言うし、晴明に対してもバッチバチでもう…。
道満と彼女が、空白期間にどんな愛を育んだのか、単純に気になりました。

・これは本当に余談なのですが、私の同僚の推しメンなので、「可愛かったよ、頑張ってたよ」と本日に伝えたところ、7/4に見に行っていたそうで…今度同僚と感想会します。運命的でした。



◎源頼信: 内田将綺さん
・表現的に平と対極を成す、冷静で真面目な従者ポジション。青い着物の金髪の男。
もう只管に道長様で道長様を守るために強くなるし道長様を守る為に死んだら式神の力が欲しいしずっと道長様の傍に仕えたい。思いが重い。忠犬すぎ。
いつか道長に切り捨てられるぞ!と伊周に言われたって揺るがない。
源平の関係性も最高でね、歪みあって「俺が俺が」となるんだけど、そこまで一緒に道長様に支えてきた情もあって、援軍に来てくれた致頼を"殿"つけて呼ぶんですよ…真面目で誠実な男ですわ…。
オタクはこう言う相反する二人の熱い関係が好きなので滾りました。

・最後しっかりちゃっかり道長様のそばに、すーごい穏やかな表情で立っていたのである意味、この物語で一番の勝ち組。
前まで道長様の前では堅苦しい緊張しかしてなかったのに、あのラストは、二人の関係に良い進展があったんだなと思えた。(語弊)

・初舞台なんですか!?堂々とした殺陣とか立ち振る舞いでしたけど!?
ダンス&ボーカルグループの方なんですか!?
ダンスも歌も舞台も、大成するといいな〜〜〜!!!!
とりあえずyo⚪︎tubeで歌い踊る姿を観させていただこう…。


賀茂忠行:小澤雄太さん
・どこかくたびれた雰囲気でグダグダとちょっとムカつく話し方をするおじ様が、本気を出したら途端に凛々しくなって真面目になって超強いし、しかもそれが最強の陰陽師達の師匠ポジションというオジサンホイホイ。
それが賀茂師匠。

・最期なんですか?優しくも強い叫びで「太陽であれ」って伝えたんですか?なんてセリフなんですか。重くて苦くて希望が詰まっていて苦しいです。陰陽道は陰と陽。そんな中で弟子に太陽のような存在であって欲しいと最期に願う師匠。否、親。尊すぎるので、時を戻して師弟3人ずっと仲良しであれ。

・私はL社に足を突っ込んでいる女なので、おざっつさんにはお世話になっております。まさかこんな美味しいおじ様キャラだとは…かっけぇ。しかもちょっと殺陣にブレイクダンス入ってたよね?(腕を軸にして足回すやつ⇽伝われ)


◎平致頼: 栗山航さん
・表現的に源と対極を成す、熱くて狂犬的な従者ポジション。赤い着物の黒髪の男。忠犬かと思いや道長様をまさかの最初に裏切るわでその後、意外とちょけてることが判明しコレちゃんと信頼関係の上に主従関係結んでて激アツ。

・「あんたに賭けた平家の行く末は明るいぞ!!」
伊周が最大のピンチで、もしかしたらもう会えないことを察していながらも、道長様に助けられた借りを返すために、伊周にそう告げて道長様の元へ向かう致頼…そういうの熱いから…。コレちゃんとの奇妙な友情、芽生えた忠誠心、この男となら天下を取れたであろうと言う確信…別れを察しながらも、武士としての誇を背負い走る…平家バンザイ…!!
私にはこの平家がなぜだかとんでもなく刺さってしまい、この後、道長に対して「必ず天下とれ。その先の景色が、うたになるんだろ(ニュアンス)」みたいなこと言った時にもう誰に対しても真っ直ぐな熱血漢は最高だなと思いました。

牙狼の方やないかい(歓喜)!!!!!!牙狼は私の諸先輩方がワケわからんくらいハマっていた時期に私も観たので、いやどっかで見たことあるお顔だな〜と。その頃からアクション凄かったイメージがあったので、今回の殺陣とかも流石のダイナミックさでしたし、熱血系武士を。こんな再会(ではない)があるとは…嬉しくなっちゃいましたね。



◎藤原道長:鈴木勝吾さん
カリスマが凄い。そりゃあんなに威厳があって高貴で、頭が良くてで、実は戦えて(殺陣めっちゃ美)、とか…要素が多すぎて命張る頼信の気持ちがよく分かる。
天下とか出世に意欲的・晴明を囲っているけど陰陽道を信用してるんだかしてないんだか・発言する内容がとにかく強い、感情に乏しい冷たげな人…本人が自主的にそういう役回りを演じている節があって…でもそれはなんというか、これから人の作る世に、"根は"優しい彼の目指すものがあるから、そのためなんだろうなって思うなどしました。(なんて言っていいのか分からんのです…。難しい。)だって自分を裏切った平致頼を抱えて一緒に逃げる男なんですよ…。根が優しすぎ。

伊周は道長様に向き合おうとしなかったけど、道長様は伊周の目線に合わせたスタイルで、向き合って話そうとしてたし、伊周も言ってたけど"大人の対応"ができる。
あとめっちゃじゃがりこ食べながら真面目な話&源を叱咤激励してビンタとかしてたんですけど、あれお菓子日替わりだったらしいですね。

・しんどいシーンが多い。
過去も平安も物語の因果がほぼこの人スタートなので、仕方ないのですが。
コレちゃんの父(道長様からしたら兄)の身体を気遣ったら「お前はいらない兄弟」やら「お前はそんなに優しい人間ではない」やら散々言われて当の道長様が「私も兄弟です」と、強気に・でも少し寂しげに返した瞬間は流石に温厚な私もコレ父を殴りに行こうと思ったもんね。俺がチャゲアスだ。

空白期間の道長様ことフジ様も、しんどい。
空白期間は弟だったコレちゃんとセットでしんどい。
存続のために(ですよね?)共に良き世を願った友を裏切らねばならんその覚悟と戸惑いよ…。兄弟2人とも「本当は戦うのやだー!」ってなって泣いてるのしんどい。平和に花育てて暮らそ!!
OP、過去にまだ仲良かった頃のフジ&ヤマトサイドの回想だったと聞いて思い出せる限り思い出して今、泣いてます。

・鈴木さんの舞台生で観たの3演劇目で、死生観がイカれちゃってる役(言い方)しか知らなかったので、道長様みたいな役、めっっっっっっっっちゃ良いなと。溢れ出る高貴な色気と(精神的に)強いお方のオーラがすごい。
ラスト、儀に出向く前の鈴木さんの切ないけど真っ直ぐな眼差しと声で、あのエンディングが、前向きなものなのだと思えたので、改めてすごい役者さんだぜ…と思いました。


…そんなこんなでね。(長くなりました)

前情報でちらりと、"2回見ると伏線回収できる(ニュアンス)"的な話を見ていたもので、見終わった今、「確かに~~~!」と思う私。
更には、平安時代や藤原家のことを調べてみると、舞台でネタとなっていた元ネタが知れてもっと感動できるらしいので私はこれから平安時代と藤原と安倍晴明と蘆屋道満について再勉強します。

(円盤化を望むのは…ご法度ですよね…。
と、分かっていても……人間は欲深くていけないね。)



……

これはスーパー余談なのですが、感想を纏めるために、ギャギャギャっと後半までの休憩中15分間に私がTwitterにメモった下書きを見たら、

夢主=夢小説の主人公

雑念に塗れた話をしようとするんじゃないよ。

お前後半そんなテンションじゃいられなくなるぞ。落ち着け、一生下書きで眠ってろ。
(ちなみに、下で一生眠ってる"ピーマンの花言葉"はマジで気分が絶望的な時でも調べたらクスリとできると思うので是非調べてみてください。)

そんで

"六合ちゃんはリアル・ビューネくんだから"

じゃないんだよ。リアルじゃないんだよ六合ちゃんも竹内涼真さんも。

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