受かったり落ちたり
字幕翻訳を仕事にするためには、まずは制作会社のトライアルに合格して仕事をもらえるようにならないといけない。
翻訳の学校はいったん修了したので、この春はいくつかトライアルを受験しました。(6月なので今はもう初夏の気分)
まだ片手で数えても余るほどの回数しか受けていないので、こういうものですとは言えないんですけれども。
まず仕事の経験がない私が受けられるトライアルは数が限られている。ほとんどが、実務経験2年以上等の受験条件を提示しているから。
なので初心者がOKなものを2つ、そして自分が修了した翻訳学校のトライアルを1つ。
現状は一勝一敗、一結果待ち。
一勝の分はしかし、まだ今後の流れをお聞きしていないので、果たして仕事をもらえるのかどうか。
とはいえ合格と連絡をもらったことは事実なので、その日は喜んで転がり回りました。
その時の様子はこちら↓
そう、とっても嬉しかったのです。
そして先日結果が来た2つ目、どどん!落ちました!!
1つ目のトライアルは、何度も何度も見返したし、訳もギリギリまで変更したり頑張ったけど、正直記憶から薄れていた。
この2つ目は、課題をもらってから提出までがとても短くて、睡眠時間かなり削ってめちゃくちゃ調べて修正して申し送り(登場人物の名前のカタカナ表記の根拠を示したりする)を作って見直しもして、締め切り時間の5分前に提出するという、マジ必死な状況で乗り切ったものだったので「あれだけ頑張ったんだから…!」という気持ちがあった。この努力に報いてくれ、結果よ。という気持ちがあった。
しかし内容を振り返れば、専門的なことでとても難しくて、事実関係をWikiで調べて「っへぇ〜!」ってなりながら、知識欲は満たされていたけれども、それを視聴者にわかりやすく伝えられる流れるような訳ができていたかと言われると、そうでもなかったのだ。
このトライアル期間中、甲斐甲斐しくコーヒー入れたり励まして応援してくれた旦那さんは内容やクオリティを知らないからなおさら、あんなに頑張ったんだからということを言ってくれていたけど、私自身がその気持ちの持ちようじゃダメだったなぁと思った。
余裕しゃくしゃくで適当にやったって、血眼になって必死にやったって、青果物のクオリティがよければどっちだっていいのだ。
まずはスタートラインに立たなくちゃいけないから、もちろん血眼になることもあるんだけれど、血眼になった分が返されるべきだと、思うべきではない。
これは真面目な優等生ちゃんだった私への忠告。
私はこんなに頑張っているのにと思うべきではない。自分のメンタルがやられるだけだから。
そういったわけで昨日は落ちこんだので、というか、落ち込んでウジウジするぞと決めたので、焼肉重をランチに食べ、昼休みに会社近くのケーキ屋さんに取り置きをお願いし、退勤後にケーキを抱えて、お酒も買って帰った。
もりもり食べて、ウジウジして、YouTube観て、寝た。
今日は休みだったので、新しいPCを見に行った。
トライアルを受けながら何度、エクセル開くのに2分もかかる6年目のPCに呪いの言葉をかけたか分からない。
本当は2つ目のトライアルに受かったら予算を上乗せするつもりだったけど、落ちたから最低限の予算になった。
でもネットで値段だけ見てこれにしようと思ってたやつは、キーボードのタッチと質感がとても気に入らなかった。このご時世に10数台のPCのキーボードをカタカタしまくってみたら、これはいいぞと思うやつがあった。しかし予算は+4万円。うーん、ちょっと超えすぎ。
パンフだけもらって帰ってきたものの、これはいいぞというビビっという感覚に弱い私は、結局あいつを買ってしまいそうな気がしている。あとは大きさ。15.6インチは今のPCと同じで、作業しやすくていいんだけど、たまに外で作業したいなんて思う時はちょっと大きすぎる。13〜14インチは、軽いのが多いし外にいくにも気軽&身軽だけれど、小さい画面にストレスがたまる自分も想像できる。モニターを別で買うのは、もっと広い家になってからな、って感じ。
こんなふうに、字幕翻訳の仕事する自分を想像するのは落ち込みからの回復方法の一つ。ただ、なんの解決にも進歩にもならないので、もう1つ決めた。
字幕の写経、またの名をリライトをきちんとやろう。
思えば昨年の秋に、先生から「月に1本の映画をリライトして、半年後のトライアルにそなえれば6本はできる。それだけやれば字幕感覚がつくよ」と言われていた。結果やったリライト、0.3本。映画の3分の1も進まなかった。
理由は色々ある。ノらなかった。たぶん、つまんなかったのだ。
好きな映画を選んだつもりだったけど、字幕1枚1枚のことを考えながら、ストーリーもよく知っている映画をゆっくりゆっくり進めるのは、超つまんなかった。
今覚えば、そう、コツコツとした勉強って、そうやって人がつまらないって思うものだからしっかりやる人は差がつくんですよね…。
なぜこの情報を字幕に入れなかったのか、このキャラクターの一人称をなぜこれにしたのか、語尾の感じ、改行の位置。学び取ることはたくさんあるリライト。
トライアルに落ちた今こそやらなければ。
そして、トライアルを受けた今だから分かること。ジャンルは、自分が好きなものばかりが来るわけじゃない。
落ちた方も受かったほうも、トライアルの課題は自分で積極的に観るジャンルのものではなかった。
なので、リライトする作品も自分の好みバイアスがかからないように選ぼう。でもどうやったらそんなシャッフルみたいなことが…
できるやんけ、Netflix。
初めてシャッフル機能を知った時は、選択肢が多すぎて決定できない現代の悩みを具現化した恐ろしい機能と思ったものだが、これは良い。スターン!とシャッフル再生をクリックし、どどーん!と出てきたのは日本アニメ。違う!いや、面白い作品だけど字幕のリライトには違う!
私が積極的に観ないだけでネトフリには日本アニメも邦画もたくさんあるんだなァ。
海外ドラマも出てきて、メンタリスト シーズン7のエピソード1とか。
さすがにエピソード6とかじゃないあたり、気遣いなのかもしれないがやっぱり最初から観たい派かなァ。
そしてシャッフル機能で最初にたどり着いた洋画は「スタンド・バイ・ミー」でした。
10年以上前に観た作品。名作である。
君に決めた~!
じっくり少しずつリライトして、6月中に終わるかな。
少しでも「翻訳の自主学習」の感覚を掴めたらいいなと思う。
5月中にもう1つ受けたトライアルの結果が分かるのは2,3ヵ月後なので、それで合格して仕事をもらえるようになるにしろ、不合格で再スタートを切るにしろ、成果のあるものを出せるようになるように勉強していこうと思う。
トライアルはある意味就活だし、営業だし、その時の自分の実力や調子、相性によってダメなことも当然あるんだと思う。
否定されたと思って辛くなりがちなメンタルだから、受け止め方にも気をつけていきたい。
受かって飛び跳ね、落ちてウジウジ。そして勉強。忙しい忙しい。
でも楽しい。
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