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不穏な時代のサバイバル術 〜不安との付き合い方〜

つい最近、私がガーディアン(現地の保護者)をしている単身留学生たち(普段は寮生活を送っている)が、立て続けに別方向からSOSを発信する出来事があり、一体なんなのだろうと思ったら……

正体は、「不安」でした。

ちょうど、来年度の科目を選択する時期だったんです。
進路に関わる大きな試験の受験科目にもなるので、「不安」になってしまったんですね。

そこに、コロナウィルスやら人間関係やら何やらの外的要因が加わり、それぞれに限界マックス→爆発したという流れです。

コロナウィルスの拡散とともに、不安が世界中を覆っています。
私の住むマレーシアも例外ではありません。

しかしながら、海外から見ると、日本はもうずっと長いこと不安という病に罹患している感じで、これ以上不安が増えたら……と不安になる始末(苦笑)。

そんな不安ばかりの今日この頃、40代にして初の海外暮らしを経験した私のなりの不安との付き合い方をご紹介します。


不安になった時の対応を先に決めておく

実は、大人も「不安」に支配される人がとても多い。

今の日本、特にそうです……と思っていたら、昨日の朝、息子たちの通うインターナショナルスクールの親同士のメッセージアプリに、ヒステリックなトーンのメッセージが続々と……

え、何かあった?
コロナに感染した子どもでも出た?

と思ったら、「来月の遠足に行かせたくない」という内容でした。

遠足の場所は、映画館。
なんとも暑いマレーシアっぽいのだけれど、何人かの親たちが「人がたくさん集まる場所は危険、うちは遠足をキャンセルする」と言っている。

まあ、それもわからなくはないけれど、子どもはあらゆるものを学校に持ち込むものでしょう?(コロナ騒ぎのなか、手足口病が流行って休校になっている学校も!)
家族で今週末、映画館に行く子もいるでしょう。

だから、遠足に行かなくてもコロナにかかるかもしれないし、行ってもかからないかもしれない。

大事なのは、かかる/かからないの白黒じゃなくて、かかった時にどうするか?
かかった時の重傷になる割合や死亡率の方を指標にした方が、合理的でしょう。

……みたいなことが、不安に支配されると、考えられなくなってしまうんですね。

不安をなくせ、もっと楽観的になれ、っていうんじゃないんです。
そもそも不安はなくならないし。

だって不安は、私たちにもともと備わっている防御本能。
危機に備えず、ぼんやりしてたら死ぬかもしれない、という時代の名残です。

じゃあ、どうしたらいいのかっていうと、不安にかられた時の態度を最初から決めておく、ということです。


すぐに白黒つけようとしない

1つは、いくら考えても答えが出ないものは、今はあえて解を求めず、そのまま様子を見るという態度を先に決めておく。

いくら考えても答えが出ないものって、世の中たくさんあります。

身近なところでは、相手が自分のことをどう思っているか、とか
大きなところでは、今回のウィルスみたいに世界はこのままどうなってしまうんだろう、とか。

あとは留学生みたいに受験や進路が不安、とか(笑)。

情報を集めることで知識は増えるけど、根本的に不安や恐れは解消しない。
むしろ増幅してしまう可能性があります。

だから、これについては一旦不安がるのはやめよう、と、気づいた時に「保留にする」という態度を決めておくのです。

恋愛や結婚だとわかりやすいかも。

自分の不安を解消したいがために白黒つけようと、相手に詰め寄った結果、失恋した経験ってありませんか?

私はあります(笑)。


プランBを用意する

2つめ。
あらゆるシナリオを想像すること。

ここでは楽観ケースより、どちらかというと最悪のケースを想定します。
で、その後、不安に怯える……

のではありません!!
最悪のケースが起きた時、どのような行動を取るか、先に決めておくのです。

これが、プランB。
さらに可能なら、プランC、プランD……と持っておく。

不安で見えない未来を、頭の中でできるだけ具体的にして、心の準備をしておきます。

これがあるとパニックになりづらく、ある程度、冷静に対応できます。
しかしながら、最悪のケースが本当に起こった場合、痛いことには変わりません(苦笑)。


不安をないことにしない

一番いけないのは、何とかなるさ、という根拠のない楽観的態度。
周りの意見や動きに合わせて判断するのも、パニックになった時に危険です。

個人的には、インフルエンザの年間死亡者数20万人以上、日本でも1万人という数字に比べたら、(まだ今のところ)コロナはそこまでじゃないと思っています。

コロナに対して悲観はしていませんが、これから予想される経済的ダメージは未曾有のものになる、と覚悟しています。

みんなテレビを消して、ネットと距離を置いて。
そして、大波に備えよ、何が何でも乗り越えよ。

不安でオロオロする前に、私たちにできることはまだたくさんあるはずだから。

何度でも立ち上がる覚悟をする。
パニックの時、みんなと同じ行動を取らない。
シナリオが変わったら、しなやかにプランを変更する。
何か起こっても、責任を引き受ける覚悟があれば、大丈夫。

昨晩、息子と相談した私と夫、映画館への遠足の書類に許可のサインをして持たせました。


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