超大好きだった人+似てる

似てる。特に横顔。いや、雰囲気もなのかな。大好きだった、今でも大好きな人を子供っぽく一回り小さくしたバージョンって感じ。

大好きな人に似てる彼は、同じクラスの男の子。テニス部で、席は通路を挟んでの右隣だ。

私の大好きな彼は、わざわざ定期的に美容院に行ってプードルパーマにしてた。でも似てる彼は、天然パーマなのかな。髪の感じも顔の濃さも気を遣ってくれて優しいのも、男女ともに友達が多いところも似てる。かなり似てる。

もともと似てるとは薄々思ってた。でもそんなに気には留めていなかった。単に雰囲気とか笑い方、目元が少し似てるなどと思っていただけだった。当たり前の事ではあるが、ただ少し似てるだけで、やっぱり大好きな彼とは全く違うからだ。

だが、お別れした今になって、大好きな人に似てる彼を見ると思い出して少し切ない気持ちになるのが本音だ。

お昼の時間に、似てる彼がパンを食べてる姿を見かけると、大好きな彼が私の隣でハンバーガーをほうばってた姿を思い出す。友達と話してたり、ノートをまとめてる横顔をふと見ると、大好きな彼が真剣な顔をしてパチンコを打っていた横顔が私の頭の中で思い浮かぶ。

｢そっくりだなー。いや全然似てない。やっぱり似てない。｣などと彼との思い出を思い出して考えてしまって、その度に学校で少し泣きそうになる。

最近、体調が優れない私を見て、似てる彼が、笑いながら心配の声をかけてくれた。今まで接点が無く、話した事も無かったのに心配してくれたのは驚いたが、普通に嬉しく有難かった。

でも、あまりにもその姿が大好きな彼にそっくりで、私の大好きな彼が言ってるような気がして嬉しい反面寂しくもなった。

私がこの先、体調を崩そうが、親と喧嘩しようが、何があっても大好きな彼はもう心配してくれない。その現実を改めて突きつけられたようで悲しくて寂しくなった。

私は、大好きな彼と交した会話を毎日電車やバスの中で聞いてる。｢こんな声だったな、毎日夜遅くまで話してたんだな。｣とか思い出に浸ってしまっている。

画面の中の彼は能天気に笑っていて、夢や希望、バイト先の話、私だけにする話をしていた。この数日で耳にタコが出来るほど聞いた。君は同じ事しか話さないし、話に進展が無いからつまらないと感じるようになったよ。たまに話しかけてみても話は噛み合わないし、いつも繰り返し同じ内容しか話してくれない。つまらない。そろそろ飽きたよ。

ただ少しだけ、どこか似てる彼を大好きな君と重ねるなんて失礼な事しちゃだめだね。相手にも君にも悪い事だね。似てる部分、ましてや街中で君に似てる人を探しちゃうなんて一番だめだよね。私の悪い癖だね。

だから、そっくりなようで、君に全然似てない、やっぱり似てないや。多分。

Not Found

Monomane - YouTube Music