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数字の1,2,3がスペシャルな件 -かぞえなくても把握できる

昔からの素朴な疑問。

数字の13がスペシャルな件。

世界3大料理、世界3大夜景など世界を3でくくる。オリンピックや運動会も1位、2位、3位までは表彰台に登るが、4位は登れない。松竹梅も3段階。

◯◯するための3つのポイント的なものもある。なぜ3つにまとめるんだろう?

「3つだとヒトが理解しやすい」というアンサーがあるけれど、実は答えになっていないとも感じる。なぜ3つだと理解しやすいのかに答えてないから。

1、2、3は、とにかくスペシャルで、このミステリーは謎のままだったけど、解き明かしてくれた本に出会いましたので、自分メモとあわせて紹介します。ちょうおもしろい!

数字は発明品

数字は発明品。個人的にはココにWow!いわれるまで気づかなかった。そういえばヒトの発明品でしたね。

ヒトは発明品をそのままで終わらせず、どんどん良くしていきます。この”良くする”の意味するのは、人間にもっと馴染むように、より良くするという意味です。

たとえば「10、20、30」は区切りが良い数字の羅列に思えますが、「13、27、38」はバラバラに感じます。10進数を使っている私たちは「10、20、30」数がしっくりくるからです。

けれど、いきなり10進数にたどり着いたわけではなく、60進数などもあったらしいですね。でも、世界中には広がらず、現代にも残らなかった。60個も法則を覚えるの大変ですものね。

なぜ10進数は広がり、現代に残ったんでしょうか。

ここは諸説あるらしいですが、有力な説は人間の指が10本だから。子供が指折り数をかぞえるように、10本で単位が変わるのは人間の構造に馴染みます。10本の指をもつ人間にちょうどいい。

1、2、3までは数えない

同じことが1、2、3にもいえます。1、2、3はスペシャルな数。言い方を変えれば、スペシャルが馴染む数字ともいえます。

先に結論をいうと1、2、3までは、かぞえなくても把握できるらしいです。

たとえば、目の前にリンゴが2個あったら、瞬時に「2つ」と答えることができます。

でも、8個だとそうはいかない。かぞえちゃう。じゃあ何個からかぞえるの?というと、4個からかぞえはじめる。かぞえると「かぞえ間違い」をする可能性がでてきます。

一方で、かぞえなくても把握できる数。1、2、3。かぞえないから、間違える可能性がグッと下がります。

この1、2、3のスペシャルさは、数字という文字にも現れていました。

ローマ数字ではⅠ、Ⅱ、Ⅲまでは縦棒を置くだけだけど、Ⅳになると、Ⅴ(5)−Ⅰ(1)となります。決して縦棒を4本おく「||||」とは書きません。

同様に、漢数字も一、二、三までは横棒を置くだけですが、四になると突然、形が異なります。私たちがふだん使っているアラビア数字も1、2、3は「棒を置く」表現からきているらしいです。4は4本の棒を置くわけではないところも一緒。

もしもローマ数字の10が「Ⅹ」ではなく、縦棒を10本置く「ⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠ」な数字だったら?瞬時にわかるのは3本までなので、かぞえなければならない。なので、10本の棒「ⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠ」は「かぞえ間違い」を犯す可能性があります。

であれば10は「ⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠ」より「Ⅹ」と表現した方が間違いが減ります。つまり「数える」よりも「覚える」の方がコストがかからない。

量としてかぞえる

数字という文字があると、まるで1、2、3、4、5・・・100、101、102と、数字が続く限りかぞえられるように思えます。現代では数をかぞえることと、数字は切り離せないので、ある意味では「永遠にかぞえられる」で正解ともいえますが…。

でも、数字という発明品を使わないでかぞえられるかといわれると難しい。

たとえば、文字を使わずに口頭で「1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1」は何?といわれるときっと答えられない。

同じように、数字を使わずに目の前にある128個のリンゴをかぞえることができるかというと、きっとできない。。。といいながら、もはや想像不可能ですけどね(苦笑)

この本の中で、動物は数をかぞえられるのかという問いがあって、実験の様子が書かれていました。結論からいうと、動物は数を量的に把握しているとのことでした。

ざっくりいうと、

・エサ 1個 or 2個だと、2個の方を選ぶ。
・エサ 14個 or 15個だと、選ぶ確率は五分五分
・エサ 3個 or 20個だと、20個の方を選ぶ

少ない数の比較(1個 or 2個)だと、多い方を選ぶ。
しかし、一定の数までいくと(14個 or 15個)だと、おおよその量はかわらないので、どっちを選ぶかの差はなくなる。
一方で、圧倒的な差(3個と20個)だと、やはり多い方を選ぶ。

動物は「量」的に数を把握する。ヒトにも同じことがいえる。オーストラリアにいるある民族の数に関する言葉は「1個、2個、それより多い、非常に多い」の4段階だそうです。

まとめ

量として数を把握するヒト。数字という発明品もヒトの特徴に馴染むよう1、2、3をスペシャルな数として進化させてきた。

1、2、3まではかぞえなくても瞬時に把握できる。だから、3つのポイントや世界3大◯◯も直感的に「わかりやすい」って思うんでしょうね。

日常にひそむミステリー。1、2、3がスペシャルな件でした!

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