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糖質制限すると筋肉落ちるの嘘/トリック解説

こんにちは!

体調不良・病気で苦しむ人を1人でも減らしたい
東大薬学部卒アンチエイジングアドバイザー
福嶋大介です。

今回は「糖質制限すると筋肉落ちるの嘘/トリック解説」というテーマで解説して行きます。

糖質制限したら筋肉落ちるよ
という恐喝がよく流行っています。

糖質制限を健康的になる人もいるけど
糖質制限したら体調崩したという人もいたりしませんか?

体調崩す人はやり方がわかっていない人たちになりますね。

今日は特に筋肉分解について解説していきます。


1. 糖質制限すると筋肉落ちるよ


「糖質制限すると筋肉落ちるよ」と言っている人たちの理屈は次の通りです。

●足りない糖を作ろうとして
筋肉が分解されるよ

なぜなら

・エネルギーが不足するため、代わりに筋肉を分解してエネルギーにする
・糖を補おうとして糖新生という体の機能が働き、筋肉を分解して糖を作る

食事から糖質が取れなくなるため、身体は低血糖とエネルギー不足を防ぐために筋肉を分解し、糖新生を行います。

●筋肉合成ホルモンのインスリンが出ないから筋肉低下する

糖質制限を行うと血糖値が上がりにくくなり、結果としてインスリンの分泌が減少します。

インスリンは筋肉を作るのに使われる
インスリンが不足していたら筋肉の合成が悪くなると思わないかい?

さて
なんか本当に聞こえたりする理論ではないでしょうか

2. この理論のトリック見破れましたか?


「糖質制限すると筋肉落ちるよ」

・筋肉が分解して糖を作るから
・インスリンが出なくなると筋肉合成できないよ


このトリックを見破れましたか?

では、事件の真相を解説します。

簡単に言うと:

筋肉が分解して糖を作る
→筋肉が分解されてエネルギーになるのは最後の最後だよ。

糖をなくしてインスリンが出なくなると筋肉合成できない
→タンパク質でもインスリンは出るよ。代わりのホルモンが出るから筋肉合成には関係ないよ。


3. 糖エネルギーが不足になると


まず、糖がなくなるとエネルギー不足になります。エネルギー不足になると代わりのエネルギーが必要です。

3.1. エネルギー源とは


エネルギー源には以下のパターンがあります:

• 糖orタンパク質→糖エネルギー
• 脂質→脂肪酸エネルギー

今回は「糖がなくなったら筋肉分解して糖を作る」という主張です。

3.2. 糖新生


糖を体内で作ってエネルギーにしようとする場合、糖新生で筋肉が分解されるのは最後の最後です。

3.3. 糖新生の優先順位


糖新生で新しく体内で糖をつくる優先順位は以下の通りです:

乳酸(いわゆる疲労物質)

中性脂肪(分解されて、脂肪酸+糖の材料グリセロールになる)

身体中で余っているアミノ酸(タンパク質)

筋肉を分解してアミノ酸にする

つまり、「筋肉を分解して糖をつくる」は基本的には最後の最後の行為です。

4. インスリンないと筋肉合成されない?


「インスリンは筋肉合成のサポートをする。糖をとらないとインスリンが出ないから筋肉合成されないよ」といった主張



タンパク質食べてもインスリンは出る

インスリンがオフになると成長ホルモンという別のホルモンが出て、筋肉合成を促進してくれます。

だから

この話は知識がない人を脅している言葉です。

5. ムキムキゴリラな人たちが言っている話


「筋肉つくるなら糖をとれ。筋肉のエネルギーとして糖が必要だ」という主張は次のような背景があります:

• 速筋繊維という、瞬発的に力む時に使う筋肉では、糖エネルギーの方が脂肪エネルギーよりもエネルギーに切り替わるスピードが速い
• 多くの人は大会を目指したり、ゴツゴツの体を目指しているわけではありません

6. 「でも実際僕の筋肉落ちたのはどう説明するの?」

●速筋繊維の問題


速筋繊維を鍛えようとしてすぐに落ちることがあります。これは速筋繊維がもともとすぐに落ちる筋肉だからです。

●キツイ無酸素運動だから

無酸素運動だと酸欠になりますよね。
酸欠になると糖はエネルギー方面よりも、乳酸に分解されて疲れただろうから休みなさい、という方向に向きます。

エネルギーが追いつかないし
慢性的ストレスがつづくことで筋肉が分解されている(次の"長期間のストレスと筋肉分解"を参照してください)

●長期間のストレスと筋肉分解

長期間のストレス状態は体内でコルチゾールの分泌を増加させ、コルチゾールは筋肉のタンパク質分解を促進します。これにより筋肉量が減少することがあります。

●糖過剰とインスリン抵抗性

現代の食生活で糖分の摂取が過剰になると、インスリン抵抗性が発生しやすくなります。インスリン抵抗性があると血糖値が高くなり、それ自体が体にストレスを与え、コルチゾールの分泌をし、その状態は脂肪蓄積を促し、筋肉分解を抑えることが難しくなります。

●飽和脂肪酸の過剰摂取

飽和脂肪酸の過剰摂取も炎症反応を引き起こし、体にストレスを与えることがあります。この炎症反応はコルチゾール分泌を増加させ、筋肉の分解を促進する方向に働くことがあります。

●そもそもタンパク質足りてる?


タンパク質量が足りてないと筋肉が分解されて利用される可能性があります。これは糖ではなくて、タンパク質の問題です。

7. 糖質制限の種類


糖質制限にはいくつかの種類があります。

●いつもたくさん取りすぎてるから、ちょっと減らしたよ

これも糖質制限です。
例えば、白米を朝昼夕の1日3食、お茶碗1杯ずつまでにすることです。

●がっつり糖質制限してケトジェニックやファスティング

厳密な糖質制限を行い、ケトジェニックダイエットやファスティングを取り入れる方法です。

●ビタミンミネラルを摂っているかどうか

糖質制限で健康を保つためには、ビタミンやミネラルを十分に摂取することも重要です。

8. 本格的な糖質制限するなら脂を意識的に


糖質をエネルギー源にしない代わりに、脂質がエネルギー源になります。意識的に体に必要な脂質を取り入れることが非常に重要です。

糖質だけを制限して代わりのエネルギー源を入れないと、体も悲鳴をあげてしまいます。注意が必要です。


以上です。

福嶋大介

https://daisuke-sensei.github.io/my-lp/

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