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雅子と吉祥寺、少しだけ。

2019年6月12日水曜日。
映画「モデル 雅子 を追う旅」公開44日前。

季節外れの桜の写真。撮ったのは2011年4月10日。
分かる人には分かるだろう。
井の頭公園の池の桜だ。吉祥寺なのだ。

この映画の封切劇場「アップリンク吉祥寺」。
雅子が生きている間にはなかった劇場。
けれどアップリンクさん自体には、雅子は縁深い。
その所以は、映画本編に描いてある。

雅子といえば「銀座」「青山」「恵比寿」とか言う人は色々いる。
その人が頻繁に通った場所、
その人の雰囲気や思い出を湛える場所。

ある人に「封切、吉祥寺なんですよ」と言ったら
「雅子さんは吉祥寺って感じじゃないでしょ」と言われた。

何を言う。

上の写真は、雅子と僕で訪れた、
吉祥寺だ。井の頭公園だ。
訪れた理由は、花見だ。
なぜ井の頭公園で花見なのか。
前月に伊豆のシャボテン公園とアニマルキングダムを周り、
カピバラにハマり、都内でカピバラに会える場所が、
井の頭自然文化園だと知ったからだ。

カピバラの前に、とにかく花見だ、
と思ったら、すごい人出で、
駅から公園まで、どの通りも人でぎっしり、
公園に降りても、
座って飲みながら桜を眺めてなんてとんでもない。
「いせや」で買った焼き鳥の袋と缶ビールを両手に、
もぐもぐやりながら行列に入ってのろのろ歩く。

雅子は「わたしはいいや」とか言って、
食べずに一緒に歩いていた。
焼き鳥を食べきった頃に、池の橋も渡りきり、
南側の森を抜けて、井の頭自然文化園にまでたどり着いた。

カピバラはケージの中で触れられなかったが、
代わりにモルモットをモフりまくった。
雅子も、まあまあ慣れた感じでモフっていた。
前月は伊豆で、ここまで動物に馴染んでいたからだ。

↑この後、バッグの紐が齧られていたことに気づいた。

バウスシアターにまで一緒に行くことは、
残念ながら無かった。
帰りの井の頭線で「もっと落ち着いたときに来たいよね」
と互いに話した。

それなりに忙しい日々の中、あのときは、
世田谷の家から吉祥寺ってちょっと遠い感じもしていた。
だから余計に、探検ぽくて、
雅子とともに「これからもうちょっと行きたい場所」
にカウントしていたような気がする。

アップリンク吉祥寺。
雅子が生きていたなら、きっと通い始めただろう。
吉祥寺に赴く、より明確な理由になったにちがいない。
雅子が一人で、
雅子と二人で、
アップリンク吉祥寺に通うのだ。

あの真新しいロビーで、
帽子を目深に被り、かごバッグに畳んだ日傘を挿して、
ラックのチラシをふんふん言いながら取っていく。
そんな姿が目に浮かぶ。

うーん。実にもったいない。
降りてくればいい。

もう貼ってあるし。

映画「モデル 雅子 を追う旅」公式サイト

アップリンク吉祥寺 劇場席予約ページ

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