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フライケース

 いつの時代にも、自分では訳の分からない理不尽なことが起こるものである。
 私が、 その理不尽を人生で初めて体験したのは、小学校二年生の時だった。事の起こりは、給食も食べ終わった、あと片付けの時だった。

 私はその日、給食当番で、フライケースを給食室まで運ぶ当番だった。何を思ったのか、何故、その時、行動を起こさなければならなかったのか、今でも私には判断が難しいのだが、思い返すと、 これは今の私の性格を作る基本にもなったような気がしている。

 その時、黄色い傘が一本床に落ちていた。

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