トレイル会議まとめ

前回かいたTRCのSustainable Trails Conferenceの内容について。
まず、トレイルの会議といってもハイカーなどを中心にしたトレイルの会議もあればマウンテンバイクを中心にした内容のものなど様々ありますが、今回の会議は基本的にはマウンテンバイクをテーマにした会議でした。

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山の中の公共のマウンテンバイクトレイルやシェアトレイル、パークの運営の話、マウンテンバイクのイベントを行うことによるメリットや、はたまたアーバントレイルといわれる町の中の移動を目的とした交通手段として利用されるトレイルについてなど紹介された事例は様々でした。

プログラムを見た時点でそういった幅広い(狭い?)事例が話し合われる場なのは分かっていたので、そんな場で僕が一番注目していたのはここに集まった人たち、トレイルプロジェクトに対して意思決定とゴーサインを出す人たちの考えるマウンテンバイクのイメージでした。

会議の中でロトルアのクランクワークスの地域に対するメリット、デメリットの話の際に僕のようなライディングをする人のことを冗談ぽく「アドレナリンジャンキー」と言って笑いを取っていたように(ここにいるぞコラとか思いながら笑…事実ですが)、マウンテンバイクという言葉の中でもその遊びに集まってくる人は目的とするアクティビティーのタイプが様々ですから、意思決定をする人たちがどこまでのジャンルを視野に入れているのか、どの部分のターゲットをメインにしているのかをなんとなく理解するのはおもしろかったです。

南半球のメッカといわれるクイーンズタウンのレポートを詳しく見ても明らかですが、遊び場としてのアドレナリンジャンキーの居場所は80%以上、90%近い行楽目的(ファンライド)の人に支えられているようです、それは世界中どこにいっても規模の大小にかかわらず恐らく同じだろうと思います。白馬の先輩方の話を聞くと、スノー界でも同じことが言えるようです。

それを経験と頭と合わせて理解すると、日本でフリーライド、DHを含めて続けていくことが難しいのは当然ですね。まずはエリアを絞って遊びとして楽しんでくれる人が増えない限り、アドレナリンジャンキーは居場所が作れません。マウンテンバイクのアクションをやる場が作りたい人はまずそこを理解しないといけないですね。

なので僕自身が現在白馬のローカルでマウンテンバイクを楽しんでくれる人が増えるのが単純にうれしいのは、一緒に乗っていて最高に楽しいのはもちろんのこと、自分が動けるうちにできなくても、その先の世代でそういった場が作れる環境に一歩ずつ近づいていくのを統計と今までいた場所の空気感とを比べて感じているからです。


話がそれましたが、会議で話し合われた個別の内容は…すべてはとても書ききれません。丸一日が四日間、毎秒毎秒「こういうのが知りたかったんだよ!」ということを英語で吸収しまくっていたので夜には頭がパンパンでした。


初日にまず印象的だったのは、会議会場でサイン(表示看板)のデザイン会社が自社の資料とサンプルを全員に配っていたこと。考えてみれば当然だけど、サインの専門会社がトレイル向けのカテゴリーを持っているのもビックリでした。(興味がある方は連絡をいただければサンプルあります)
そこで感じたのは、トレイルがボランティアでも、アンダーグラウンドでもなくビジネスとして産業として成り立っていることです。考えてみたらそれも当然ですが、日本とは大きく違いますね、カルチャーショックといってもいいくらいでした。
現場はどこに行っても同じように泥臭いですが、こういう産業としての活動の場があってのものかどうかで性格が全然違ってくるんでしょうね。

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印象に残った話としては、公共パークでライディング中に亡くなった方がいたケースにおいてトレイルの設計者が訴訟などに対応した話。これは小グループに分かれてのディスカッションで聞いた話でしたが、自治体のトップたちが次々と厳しい質問を投げかけていて「つまるところやっぱりそこだよな」と。国や地域によって問題に対する解決策は様々ですが、こういったケースを事例として学ぶのはそういった悲しい事故にあう人をなるべく減らすためにも大事だと思いました。

また、先述したクイーンズタウントレイルのトップのおばちゃんのプレゼンの上手いこと!活動自体が魅力的なのはどの団体でも同じですが、こういった場で魅力的な発表やロビー活動ができるのとそうでないのでは全く印象が変わるような気がします。プレゼンで良い印象を残したうえで休憩時間に他の団体と明るく雑談ができるかどうか、それによって次につなげるチャンスを掴むか逃すか。こういった会議って要はそういうチャンスを掴むためにある場所だと感じました。

僕もいろんな人と話をして、名刺をもらったりその後連絡を取ったりしていましたが…頭の中にその先のビジョンはあるけど当時も今も自分は純正アドレナリンジャンキーなので、こちらから提案したりするものが何もない。

それをすごく感じたからこそ日本でいろんな活動をされている方々をすごくリスペクトしていますし、当時何もない自分でもこういった場所でこういったことをすればもっと広がる世界があると知ったので「将来はこういった場で日本の事例と世界の事例をつなげられるようなことができれば、面白いな」と感じました。

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この会議を通して自分の中で決めたことがいくつかありました。

一つ目は、「世界中をマウンテンバイクで遊びつくすこと」

難しいことをいろいろ考えたところで提供するのはマウンテンバイクという「遊び」なので、自分がマウンテンバイクを遊びつくさないと何を言っても説得力がないだろうということ。遊び方を知らない人に提供された遊び場なんて楽しいはずがないですよね。

二つめは「現場を知ること」

遊ぶことと同時にトレイルを作る現場を知らないと、何をするにしても作り手に寄り添った良いトレイルはできないと思いました。バイカーが遊ぶのは必ずと言っていいほどトレイルの上なんですから。フリーライドの世界でもそうですが、ディガーに対するリスペクトは自転車よりも大事です。僕は幸運なことにマウンテンバイクを始めてから常にディガーの近くにいたので、自分にとっては自然なことですが。

三つ目は「5年~10年後には海外のトレイル会議でプレゼンをすること」

これもハッキリと決めました。自分の好奇心が最高にうずくのはこれだと確信したので。


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長くなったけど、次回は何を書こうかな

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