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【アルビ日記】2023-12:vs柏 0-0

「雨の清五郎」

試合情報

・5/7(日)14:00キックオフ
・@デンカビッグスワンスタジアム。雨
・新潟13位、柏16位

アルビレックス新潟・スタメン

GK阿部航斗。DF藤原奏哉、舞行龍ジェームズ、千葉和彦、堀米悠斗。MF高宇洋、星雄次、三戸舜介、伊藤涼太郎、小見洋太。FW鈴木孝司。
【途中出場】島田譲、高木善朗。

試合ダイジェスト

【前半】
11分、CKの混戦から鈴木がゴールネットを揺らすが、ゴール前にいた藤原が関与したとしてオフサイド判定。その後も新潟が攻勢をかけ、小見や三戸が惜しいシュートを放つも、0-0で折り返し。

【後半】
柏はフォーメーション変更、右サイドに出たMサヴィオがチャンスを作り始める。49分、星が負傷交代。新潟はAT、細かくつなぎゴール前、鈴木がフリーでシュートを放つも枠の左へ。スコアレスドロー。

サチロー

GWの最終日。アルビは目下3連敗中。何としても勝ちたい柏レイソル戦。ボツボツと降り注ぎ芝生を濡らす雨のビッグスワンスタジアム。

ところでビッグスワンがある地名は「清五郎」という。
むかし(1598年、関ケ原の2年前か)、この潟を開拓しようとやってきた8人衆の中に「清五郎」という男がいて、清五郎は志半ばで病に倒れてしまったそう。
8人の中で最初にこの地に埋葬された彼の名をとって、地名を「清五郎」とした、とのことである。

清五郎が眠るビッグスワン。400年前も、こんな雨が降っていただろうか。冷たい雨の中で懸命にクワを振り下ろし続け、それで身体を持ち崩してしまったのだろうか。

清五郎に思いを馳せつつも、もうひとり郷愁の念を抱かずにいられない人がいる。
サチローである。戸嶋祥郎。もとアルビ戦士。現柏レイソル。老師ネルシーニョ監督の元で、オレンジを着ていた当時よりさらにパワーアップした格好で、今日も右サイドハーフとして、そして後半は真ん中に居を移してフィールドを駆け回っていた。

ボールのあるところ、縦に横に広範囲に動き、相手のボールの出どころを消しに来るハードワーク。ボール保持時は、シンプルなボールさばきとゴール前への飛び出しで貢献する。実直なプレースタイル、チームのために動き続ける献身性。

そしてなんと言ってもシャツの裾をパンツの中にINする礼儀正しさ。好感を覚えずにはいられない。4年前も今も変わらない、好青年ぶり。その躍動をビッグスワンで見られて、感慨もひとしおです。

これぞサッカー

今日のアルビは良かった。点が欲しい、勝ちたいという気持ちも伝わってきた。

特に前半。小見洋太と三戸舜介が何度もゴール前に迫り、惜しいシュートを放つ。
雨を味方につけているかのような三戸のアジリティ。対応した柏DFは足がもつれかけていた。それでもシュートが入らない。ちょっとだけ枠を逸れる。ギリギリでGKが触わる。

二人の若者が頭を抱え天を仰ぐシーンが何度も。これもサッカー、いや、これがサッカー。

立ち上がり鈴木孝司の幻のゴールシーンは、VARがあればな…というシーンになってしまった。

最初のシュートでハンドがあったんじゃないか。
オフサイドとされた藤原は、よくみればプレーに関与していないという判断もあったんじゃないか。

それでも判定は覆らない。この日、手配ミスによりVARの機材がスタジアムに届かず、異例のVARなしゲームとなっていたのだった。

でもこれ、去年のJ2では普通にそうだったんだよな。というか数年前まではVARなんてなかった。判定は常にナマモノで、その場その場で判断され、試合はどんどん進んでいく。

疑惑の判定も含めて、全部ひっくるめてサッカーだったのだ。

シュートを打ちまくっても入らない。判定は覆らない。

これぞサッカーの本質であり醍醐味。と思えると、今日の試合もまた楽しめる。

前半はアルビのゲームだったが、ハーフタイム、ネルシーニョ監督の打ち手はさすがだった。

右サイドにいた戸嶋を中に入れてトリプルボランチ気味にし、アルビ中央のパスルートを封鎖。マテウス・サヴィオは右サイドに出たことによってタテへの突破力が活きた。

できそうでなかなかできないのが、こういう調整だと思う。ネルシーニョ監督の眼力おそるべし。


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