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言語化できなかったこと#3

2020年6月17日

「思想」を持つにはどうしたらいいだろうという問いから諸々考えていますが、「思想」はアート(直感)とサイエンス(論理的思考)のバランスから生まれると考えると、自分の苦手なアートについて考えてみましょう。

これまで多くの意思決定において、論理的思考によってなされてきましたが、就職先の意思決定においては直感で決めたように思います。さっそく、当時について振り返ってみましょう。

当時(2001年)、理系大学院生だったこともあり、周りと同じように研究職を希望し、メーカーのエントリシートを書きてました。おそらく、20社ぐらいは書いたでしょうか。子供の時、遺伝子組み換えして、食べるだけで病気が治る野菜を作ろうというの夢だったこともあり、製薬企業を中心に活動していました。また、学生時代の研究テーマも動物細胞を利用していかにして薬を大量生産するのかというのがテーマでしたし。
その結果(研究テーマが良かったため)、最大手製薬企業の研究職から内定をもらいました。最大手だし、ここで就活終わりみたいな感じでした。

そんなときに、友人より、「経営コンサルタントという職業あるらしいで、俺より、君の方が向いているから、受けてみたら」と言われたこともあり、調べてみると、確かにそんな職業がありました。しかし、当時はすごく胡散臭い、今も?、感じがしましたが(笑)

調べてみると、金融系シンクタンクで、採用活動とは異なる形で、インターンシップが開催されており、実際の職場で働けて、しかも、日当がもらえるということで、バイト感覚で参加することにしました。まあ、今から考えるとひどい学生ですね。面接などをパスして大阪では私ともう1人女性の人がインターンシップに参加しました。
インターンシップでは、1〜2週間ほど、実際の案件にアサインされて、調査部分を受け持ちました。また、合間に、当時、経営コンサルティング分野でたくさんの本を出版されて、研修講師的な方(今は大学教授)からのコンサルタントの講義もあり、かなり楽しく過ごしました。あと、人事の人の面談もありました。これ、実は採用面接だったんですが(笑)
まあ、その面接でも私は製薬企業で研究しますので、別にこちらで働くつもりありません的な空気を読まない学生でした。。。
それで、インターンシップは終わり、バイト代を受け取り、楽しいコンサルちっくな生活は終わりましたという感じでした。

その後、コンサルのことを教えてくれた友人と、スキューバダイビングのライセンスを取得するためにグアムに行きました。グアムから帰ってきてから、講義をしてくれたコンサルタントからもらった大量の書籍を読み直すと、やはり経営コンサルタントって面白そうと思い、とりあえず、採用試験を受けることにします。他のコンサルティング会社の募集期間は終わっていたこともあり、インターンシップを受けた金融系シンクタンクの試験を受けて、無事に内定をもらいました。そして、製薬企業の内定を辞退して、コンサルティング会社に入社したという経緯です。

ここまで長くなりましたが、本題はここから。

当時、製薬企業の内定を辞退して、コンサルティング会社に行くと話したら、親も含めたまわりからすごく反対されました。確かに自分でも論理的に考えるとそうだと思います。なぜ、当時、コンサルティング会社に決めたのかを振り返ってみます。

理由① 内定を断りやすかった

理系大学院生には珍しく、研究室からの紹介制度はなく、フリーで受けていたので内定辞退しやすかったのです。実は最大手の製薬企業から内定をもらう前に、2番手や他の製薬企業からも内定をもらい、そちらを辞退していたこともあったので、断ることのハードルが低かったことがあります。
ただし、内定が断りやすいという論理的理由であるが金融系シンクタンク(経営コンサルティング会社)に決めた理由ではない。後付け的なものです。

理由② 自分は研究者に向いていないと思った

研究室の後輩はすごく研究ができる子で、研究ならこの子の方が向いていると思い、自分は研究分野で成功しないと思ったこともあります。
ただし、これもおかしいことで、研究分野の方がニッチで、名乗ると誰でもコンサルになれる経営コンサルタントよりも、大学院時代の知見も活かせるので研究者の方が生存しやすいと思いますが、当時はそう思い込もうとしたのだと思います。

理由③ 経営コンサルタントは儲かる、面白いと思った

経営コンサルタントの方が儲かる、武田国男(武田薬品の社長)と対峙できるのはコンサルタントの方だ、研究職は組織の歯車になってしまうと考えた。ただし、これも全く根拠がなく、後付けの理由に過ぎず、そう思い込もうとしたように思います。

理由④ インターンシップが楽しかった

インターンシップのバイトが楽しかった。しかも、お金ももらえ、レクチャーもしてもらえたし。また、今は違いますが、当時は座席が1人1人が起立時の胸ぐらいの高さがあるパーティションに区切られており、個室的な感じでした。それが内向的な僕にはすごく合ってました。また、世話役の女性コンサルタントさんもバイタリティに溢れる魅力的な方でした。入社してみると、「一緒に働こう」と話していたさんは退職しているというコンサル業界あるある。

職場や働いている方の空気感。これが入社の決定的な要素だったように思います。五感で感じて、決めた的な感じで、後の理由はすべて後付けだと思います。

学生時代の知見を活かすなら断然、製薬企業だったと思いますし、周りは当然ながら論理的思考により、アドバイスしますので、製薬企業に行けと言います。親からすると、大学院までいかしたし、何してるのって?感じでしょう。

ただ、アート(直感)的な意思決定をするならば、

①内なる自分の声に真摯に耳を傾ける

ことから始めないといけないと思います。それを論理的な思考で殺してはいけないと思います。
(インターンシップの際に、人事担当に製薬企業に行きますというのがその行為だったと思います。)

②自分の中で少しあたためてみる

今思うとグアム旅行がその場だったように思います。それなりに悩んでいたのでしょう。

③浮かんだ自分の内なる声を概念化してみて、論理的な肉付けをして形にしていく

経営コンサルタントとして活躍している姿を考えてみる?就職活動の際にはこのようなことはしていませんでしたが、大切なことだと思います。

他では

④前提としている条件を疑ってみる、そのメカニズムを考えてみる、その構造から幽体離脱して考えてみる

大学、大学院で学んだ6年よりも今からの方が長いためにその前提条件を疑ってみる。実際に、就職してみると、同期5人はすべて理系大学院生卒でした。就業後も理系の学び、今でいるロジカルシンキングは無駄でなかったので、理系大学院生=研究職というそういった前提を疑って考えていることが必要だと思います。そのために、一度自分から幽体離脱して考えてみるとか。(笑)

一番大切なことは内なる声を論理的思考ですぐに殺さないということでしょうか。

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