見出し画像

Mott the Hoople / All the Young Dudes

画像1
All the Young Dudes / 1972

2011年6月3日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================

私が高校に入学したのは1971年の春。
そして夏休み前の生徒会で制服の廃止が決まった。

1971年9月の新学期から髪の毛を伸ばした私は、着古したジーンズとチェック柄のコットンシャツで通学した。まるでロリー・ギャラガーかニール・ヤングみたいな格好だった。

そして高校2年生になった頃から、滅茶苦茶派手なファッションで通学する連中が増えた。私のような古典的(?)ロックスタイルとは異なるファッション感覚を持った連中が、特に後輩たちの間で、増えたのだ。

デヴィッド・ボウイ『世界を売った男』(1971年)
T・レックス『電気の武者』(1971年)
デヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト』(1972年)
T・レックス『ザ・スライダー』(1972年)
ロキシー・ミュージック『ロキシー・ミュージック』(1972年)
デヴィッド・ボウイ『アラジン・セイン』(1973年)

そう、時代はド派手でグラマラスなファッションが特徴の、グラム・ロックが最盛期を迎えていた頃だ。

このアルバムをリリースするまでのモット・ザ・フープルは、どこにでもいるような、売れないハードロック路線のバンドだった。

しかし捨てる神あれば、拾う神あり。

モット・ザ・フープルが売れない頃からのファンだったデヴィッド・ボウイがタイトル曲を提供し、プロデュースし、そしてバンド・メンバーがド派手な衣装をまとい始めた途端、モット・ザ・フープルはブレイクした。つまり見事に時代の波に乗った訳だ。

『All The Young Dudes / すべての若き野郎ども』はデヴィッド・ボウイがプロデュースという話題性だけではなく、アルバム自体の質も高く、モット・ザ・フープル初のヒット作となる。

グラム・ロック独特の “いやらしい匂い” を含みながら、このアルバムには適度なポップ感覚と、ワイルドなロックンロールの魅力がつまっている。だからグラム・ロックとは縁が薄かった私だが、モット・ザ・フープルのこのアルバムは結構気に入っている。

ルー・リードの名曲《Sweet Jane / スウィート・ジェーン》から始まり、デヴィッド・ボウイのタイトル曲、そしてミック・ラルフスのカッコ良すぎる《Ready For Love / レディ・フォー・ラヴ》など、たまらん曲が満載。

あの頃、グラム・ロックを聴き狂っていた連中、いまでも箪笥の奥にド派手な服をひっそりと隠しているのだろうか・・・。

因みに生徒たちの服装があまりにも派手になりすぎたので、数年後、我が母校では制服が復活した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?