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King Crimson / In The Court of Crimson King
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2004年6月20日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
ジャズやクラシック、フォークなど要素をぶち込んで、それらを卓越した演奏技術で練り上げて、狂気の童話的世界を構築したのがキング・クリ ムゾンの伝説的ファースト・アルバム『In The Court of Crimson King / クリムゾン・キングの宮殿』だ。
キング・クリムゾンといえばロバート・フィリップのワンマン・バンドのように思われているが、このファースト・アルバムでは他のメンバーとのバランスが未だ微妙に成立していた。マルチプレーヤー、イアン・マクドナルドの存在は特に大きく、彼の及ぼした影響や貢献は、演奏面だけではなく、アレンジや作曲面でも大きい。
冒頭の《21世紀のスキッツォイド・マン》はフィリップのド派手なギターのリフとマクドナルドの炸裂するサックスによる重厚なサウンドの上にディストーションをかけたヴォーカルを重ねた、とてつもなくヘヴィで印象的な一曲。
このアルバムは本国イギリスでは1969年に発売されたが、日本盤は2年遅れの71年に発売された。発売当初、上記曲の邦題は《21世紀の精神異常者》だったが、後日、レコード制作基準倫理委員会(レコ倫)基準の変化により、現在の表記に改められたそうだ。原題は”21st Century Schizoid Man”。
ピート・シンフィールドのリリカルな歌詞が印象的な《風に語りて》や《ムーンチャイルド》ではイアン・マクドナルドがメロトロンやフルートを駆使し、揺らめき、漂うような幻想的なサウンドに仕上げている。
ピート・シンフィールドは演奏にこそ参加しないが、作詞担当としてバンドに参加している。
問答無用のタイトル曲《クリムゾン・キングの宮殿》と共に作詞家・ピートの本領が発揮されているのが《エピタフ(墓碑銘)》。
「混乱こそ我が墓碑銘 / Confusion will be my epitaph」
ペシミステックな世界観が叙情的なメロディと荘厳なサウンドの中で歌い上げられている。
インパクトのあるジャケットの作者はピート・シンフィールドの友人だったバリー・ゴッドバー。鏡を覗きながら描いた自画像がベースらしい。イラストによる顔・ジャケのインパクト度数としては、フランク・ザッパの『Weasels Ripped My Flesh / いたち野郎』と双璧だと思う。
私は1971年、高校1年生の夏、この2枚のアルバムを一緒に買って、夏休みの間中、クーラーの無い、暑い四畳半の自室で毎日聴いていた。
And More...
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