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Moody Blues, the / Every Good Boy Deserves Favour
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2004年6月30日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
このアルバムをリリースした頃、ムーディー・ブルースには飛ぶ鳥を落とす勢いがあった。
しかし今、ムーディー・ブルースというバンド名を聞いて、ピンとくる人はそう多くはない。
ムーディー・ブルースはなかなの老舗バンドで、1964年にデビューした当時は、バンド名が示すように、R&B系グループとして活動していた。
サイケデリックなサウンドが台頭してきた1967年、メンバー変更に伴い、ムーディー・ブルースはメロトロンやシンセサイザーなどの電子楽器を使い始め、『Days Of Future Passed / サテンの夜』をリリース。プログレッシブ・ロックの草分け的バントとして位置づけられる。
今でもムー ディー・ブルースがプログレ系のバンドとカテゴライズされているは、後に同じような楽器編成でシンフォニックな曲構成を売りにする後発バンドが続出したからだろう。
だがムーディー・ブルースの音楽には、プログレ独特の切れるような狂気性やずっしりと重いペシミズムはあまり含まれていない。どちらかといえば、ほのかな明るさ、暖かさ、童話のようなあどけなさなどもある。
「悲壮感溢れるもの」イコール「表現として上質」みたいな固定観念から、他のプログレ系バンドと比べて、ムーディー・ブルースは過小評価されているような気がしてならない。
親しみやすいメロディとボーカル・ハーモニー、完成度の高い曲作り、見事なアルバム構成力、そして音楽とリンクしたアルバム・デザイン。この『Every Good Boy Deserves Favour / 童夢』は最上の出来だ。
このアルバム・ジャケットのイラストの様に、ムーディー・ブルースは何処かで今でも密かに輝いている(だろうか?)。
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