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Bob Dylan / Highway 61 Revisited
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2004年5月10日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================
ビートルズと同じで、いったいどのアルバムを選べばいいのか?
仕方がないからフォーク風ディランがロック風ディランになった時のアルバムにした。
前作の『Bringing It All Back Home』からロック色の強くなったディランだが、そのロック風サウンドの完成版が『Highway 61 Revisited』だ。
バックでディランをサポートするアル・クーパーやマイク・ブルームフィールドの存在もこのアルバムを選んだポイントの一つだ。彼らをバックに従えてディランが 唸るように歌う一曲目の《Like A Rolling Stone》は最高。そこから名作ロック・ナンバーが続く。
時代の音を敏感に嗅ぎ取ったボブ・ディランは言葉だけでメッセージを伝えることの限界を感じたのだろう。もっと今風の音を生み出すロックという新たなスタイルの可能性に気が付いたのだと思う。この辺りの時代の音に対する鋭い嗅覚は、ジャンルは違うが、マイルス・デイヴィスと同じだ。
ロックの荒削りなサウンドが満載されたこのアルバムは、混沌とした名作『Blond on Blond』の予兆として聴くのも良し。
“ハイウェイ61” について
ハイウェイ61号線は「ブルース・ハイウェイ」と呼ばれている。ニューオーリンズからメンフィスを通過し、シカゴを経て、カナダ国境にまで伸びる。貧しい南部の黒人たちが都会での仕事を求め、北上する際に使ったルートがハイウェイ61号線なのだ。
61号線と49号線の交わる十字路は伝説のブルース・マン、ロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売り渡したと言われている《Crossroad》だ。ブルースの 女帝、ベッシー・スミスは同路線での自動車事故で命を落とす。黒人公民権運動の指導者、マーティン・ルーサー・キングは61号線にあるモーテルで殺害され た。
And More...
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