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Wishbone Ash / Argus

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Argus / 1972

2004年7月20日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================

ロック・ギターの転換期に現れたのがウィッシュボーン・アッシュだ。

70年代に入ると、イギリスではブルースの音色から離れたギタリストたちが活躍しはじめる。クイーンのブライアン・メイ、ディープ・パープルのリッチー・ブラッ クモア、そしてレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジなどは確実にブルースからある種のスタンスを保ち、新たなロックを模索していた。

イギリスにとってブルースは外国から持ち込まれた”異物”であるが、アメリカにとってブルースは日常の風景に存在する音楽だ。そこからの延長として、アメリカからはブルース・フレーバーをたっぷり残したサザン・ロックが一つのトレンドとして70年代から浮上する。

『Argus / 百眼の巨人アーガス』はツインリードギターが売り物のウィッシュボーン・アッシュの三作目のアルバム。これはブリティッシュ・ロックの名品で、そのサウンドは凛々しいというか、上品というか、ある種の気品すら漂っている。

バンドの看板、アンディ・パウエルとテッド・ターナーのギタープレイからはプログレッシヴ・ロックやフォーク、トラッド、クラシックなどからの影響が聴き取れる。この辺りの音楽的なバックボーンの違いが、ほぼ同時期に活躍したアメリカのツインリードギター・バンド、オールマン・ブラザース・バンドと明確な差を生み出していて、聴き比べると面白い。

オールマン・ブラザース・バンドがヘビー級のジョージ・フォアマンなら、ウィッシュボーン・アッシュはウェルター級のシュガー・レイ・レナードか?

And More...

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Pilgrimage

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Live Dates

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