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Little Feat / Dixie Chicken

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Dixie Chicken / 1973

2004年6月20日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。==================================

「Dixie Chicken」、直訳すれば「南部鶏」みたいな感じだが、「チキン / Chicken」は隠語で「オンナ」を意味する場合があるので、1曲目の《Dixie Chicken》の歌詞から推測すると、「Dixie Chicken」は「南部のオンナ」みたいな感じの意味だろう。

メンフィスのコモドア・ホテルで出会った南部美人(Southern belle)について歌われているし、ジャケットの雰囲気もそんな感じだ。

南北戦争の2年前、1859年にダニエル・エメット(Daniel D. Emmett)が発表した《Dixie》という歌が南北戦争中、アメリカ連合国軍(南軍)の行進歌として使われたことで、「Dixie / ディキシー」は南部を意味する呼び名として広まったらしい。

アメリカン・ルーツ・ミュージックの影響をたっぷり受け、南部臭さと独特のねっとりしたリズム感が魅力のリトル・フィート。

このバンドはフランク・ザッパの元で研鑽(?)を積んだローウェル・ジョージ (ギター、ヴォーカル)、ロイ・エストラーダ(ベース)を中心に、LAで結成された。

この3作目のアルバムでは南部色が一段と濃くなり、独特のリズムに絡みつくようなロウエル・ジョージのスライド・ギターも十分楽しめる。決して一般受けするようなサウンドではないが、この手のルーツ・ミュージック系のロックに一度ハマると止められなくなる。ダルいんだが、カッコいい。

前作の『Sailin' Shoes』から、ネオン・パーク(Neon Park)の個性的なイラストがリトル・フィートのジャケットを長年飾ることになる。

ネオン・パークはフランク・ザッパの名作『Weasles Ripped My Flesh / いたち野郎』のジャケットのイラストも手掛けていた。

フランク・ザッパの弟子筋に当たるローウェル・ジョージのバンドが長年に渡って同じイラストレーターを起用していた事は興味深い。

夏の暑い夜、クーラーの無い部屋で、まったりとした生温い扇風機の微風を浴び、じっとり汗をかきながら《On Your Way Down》を聴くのも良し。

And More...

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Sailin' Shoes

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