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アート系CTOが語る・指名されるデジタルコンサルタントへの道

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BtoB企業に特化したデジタル活用支援を20年以上手がけ、SE⇒ITコンサルタント⇒経営者の道を歩んできた筆者が、次世代を担うデジタルコンサルタントに伝えたいことをまとめました。
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記事一覧

信頼関係構築で意識してきたこと

「お客さまとの信頼関係レベルを高めるために何をすべきか?」20年前にコンサルタントに転身したときから日々考えていたテーマです。 当時わたしがお客さまとの信頼関係構築において意識していたことのメモが出てきたので、改めて振り返ってみたいと思います。 まず最初に、お客さまとの信頼関係レベルを自分なりに4段階(認知される、信頼される、高く信頼される、感動させる)に分けて“信頼関係の現在地”を意識するようにしました。 “信頼関係の現在地”を把握するためには、コミュニケーション感度

部下も自分も成長する仕事の任せ方

「部下の業務熟達度に応じてどのようにサポートの仕方を使い分けるか?」先日、栫正人さん(@LLC_kakoi)主催の「起業のための萬相談室」で対談した際に話題になったテーマです。 「わたしの場合は部下の業務熟達度に応じて4つの段階に分けている」、という話に興味をもってご質問いただいたので、改めてどのようなステップで部下のサポートの仕方を変えているかを整理してみました。 第一段階は「具体的な指示」を行うレベルです。例えば打合せ資料の作成を部下に依頼する場合、資料構成を提示して

写真検索の奥深さに震えたときの話

キャリアの中であるテーマにのめり込んだ経験って皆さんありますよね。 今回はわたしが2000年頃、20代最後の2年間にのめり込んだ“写真検索の世界”についてお話したいと思います。 当時わたしはビジュアルコミュニケーションにとても強みがある会社でシステムエンジニアとして働いていました。 この会社ではフォトグラファーやデザイナー、画像処理オペレーター、プロデューサーなどのプロフェッショナルが知恵と技術を結集して広告制作やストックフォト事業といったビジュアル関連事業を手がけ

専門外でもそこまでこだわるのか!一流のこだわりを痛感したときの話

キャリアの中でも特に影響を受けた人物って皆さんいらっしゃいますよね。 わたしの場合は20代後半で出会った一流フォトグラファーであり経営者でもある方がまさにそういった人物でした。 今回はその方との仕事を通じて感じた“一流のこだわり”についてお話したいと思います。 わたしは最初に入った会社が2年で倒産し、そこでキャリアに対する考え方が大きく変わりました。 倒産の経験を通じて、 “会社というものはいつ倒産するかわからない。これからは自分のやりたいことを徹底的に追及しよう”

不確実性のコーン~PJ初期の情報詳細化の重要性

わたしは20年以上に渡りBtoB企業のデジタルコミュニケーション支援を行っているのですが、最近Web業界の方と情報交換をすると必ず話題になるのが「提案できないRFP(提案依頼書)が増えて困っている」問題です。 なぜそんなことになっているのか? 背景には企業におけるWebサイトの位置づけが時代とともに大きく変化していることが挙げられると思います。 2010年以前のBtoB企業のWebサイトの位置づけは企業側が発信したい情報を提供する単なる情報発信ツールに留まっていたと思い

期待値コントロールを意識する

皆さんは仕事をされる中で“期待値コントロール”って意識されていますか?今回はわたしがコンサルタントに転身してからとても意識をするようになった“期待値コントロール”についてお話したいと思います。 すべての商品やサービスには購入者が連想する“期待値”があります。その期待値を上回れば購入者は満足しますが、下回れば不満を持ちます。 コンサルタントの場合は、お客さまと握った時間・成果物の品質に対して上回ればお客さまは満足してくれますが、下回れば当然ながら不満に変わります。 ここま

リーダーとマネージャーの違い

皆さんは仕事をされる中で自分の考え方・行動の指針として折に触れて参考にしているものはありますか? わたしもいくつか指針として自身の行動を振り返るものがあるのですが、先日過去資料を整理していて久しぶりに目にした「リーダーとマネージャーの違い」にはっとさせられたので、今回はそのお話をしたいと思います。 この「リーダーとマネージャーの違い」は、南カリフォルニア大学でリーダーシップの研究をされていたウォーレン・ベニスという方がまとめられた十か条で、リーダーとマネージャーの視点・考

アート系CTOが語る・起業して意識してきたこと

わたしは2009年に2人で起業し、13年を経て現在は60人の会社を経営しているのですが今回は起業してからこれまでに意識してきたことについてお話したいと思います。 2009年に南青山の起業化支援オフィスの一画を借りて代表とわたしはBtoB企業のデジタルコミュニケーションを支援するイントリックスという会社を起ち上げました。 https://www.intrix.co.jp/portfolio/ 起業してから最初の2年間、特にわたしが意識したのは「代表が今やるべき仕事に如何に

メンターから言われて刺さった言葉3選

皆さんはメンター(恩師・助言者)から言われて刺さった言葉はありますか?今回はわたしがこれまでメンターから言われてとても印象に残った言葉を3つ紹介したいと思います。 わたしのメンターは、20代後半で出会った一流フォトグラファーであり経営者でもある方なのですが、プロフェッショナルとしてのあるべき姿、仕事への向き合い方など多くのことを学ばせてもらいました。 出会いからはもう25年くらい経ちますが、お会いする度に多くの刺激をもらっています。そんなメンターとは不定期で数年に1回くら

「押す」・「引く」コミュニケーションを使い分ける

皆さんは仕事をされる中で相手との関係性を考慮した様々なコミュニケーションを取られていると思いますが、どのように使い分けをされていますか? わたしはコンサルタントに転身してから、お客さまやパートナーとのコミュニケーションの取り方をかなり意識するようになりました。 コミュニケーションの取り方には大きく分けて「相手との距離を縮める」“押すコミュニケーション”と、「相手と適切な距離を取る」“引くコミュニケーション”があると考えています。 相手との信頼関係が醸成されていない、かつ

お客さまとの信頼関係レベルを掴む

お客さまとの信頼関係がどのレベルまで構築出来ているのか?とても気になるポイントですよね。 今回はわたしがITコンサルタントに転身してから強く意識したお客さまとの”信頼関係構築レベル”について振り返ってみたいと思います。 わたしは30歳の時にシステムエンジニアからITコンサルタントに転身したのですが、仕事をしていく中で「自分はお客さまとどのレベルで信頼関係が築けているのだろうか?」を強く意識するようになりました。 お客さまから見て自分は替えの効く存在なのか否か。 お客さ

“違いを感じさせる”会話の切り口

お客さまと会話をする中で明らかにこちらに対する関心度や信頼度が上がったと感じる瞬間ってありますよね。 今回はITコンサルタントとして私が仕事をしてきた中でどのような視点での会話がお客様の琴線に触れたのか、価値を感じていただけたのかを振り返ってみました。 まず最初に挙げられるのは、「俯瞰視点」と「長期視点」から物事を見る、語ることだと思います。 自分が見えている範囲で短期視点で物事を考えることは誰しもできることですが、関連する要素や関係者全体を踏まえて1年後、3年後にどう