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マズローの欲求5段階説

人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる。

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第1段階:生理的欲求
生きていくために必要な、基本的・本能的な欲求を指します。
「食欲」「排泄欲」「睡眠欲」などが当てはまり、これらが満たされなければ生命の維持が不可能となります。
一般的な動物がこのレベルを超えることはほとんどありませんが、人間がこの欲求階層にとどまる状況は一般的ではありません。


第2段階:安全欲求
安心・安全な暮らしへの欲求を指します。
病気や不慮の事故などに対するセーフティ・ネットも、これを満たす要因となります。
一般的に、幼児にはこの欲求が顕著に垣間見えますが、大人になると反応を抑制することを覚え、自然と次の段階へ欲求が昇華していきます。

  
第3段階:社会的欲求
友人や家庭、会社から受け入れられたい欲求を指します。
集団への帰属や愛情を求める欲求であり、「愛情と所属の欲求」あるいは「帰属の欲求」とも表現されます。
この欲求が満たされない状態が続くと孤独感や社会的不安を感じやすくなり、時には鬱状態に陥るケースもあります。


第4段階:承認欲求(尊重欲求)
他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求を指します。
名声や地位を求める「出世欲」もこの欲求の1つに当てはまり、外的部分を満たしたい第3段階までとは異なり、内的な心を満たしたい欲求へと変わります。また、こちらは第3段階における「帰属」の欲求が前提となっており、他人からの賞賛を求める欲求はその後の自然な行為とみなすことができます。
なお、承認欲求における尊重には「低いレベルの尊重欲求」と「高いレベルの尊重欲求」があります。
低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、名声、注目などを得ることによって満たされます。
高いレベルの尊重欲求は、自己尊重の意識付け、技術や能力の習得、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価より自分自身の評価を重視します。
この第4段階の欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じます。
  
第5段階:自己実現欲求
自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求を指します。
潜在的な自分の可能性の探求、自己啓発行動、創造性の発揮などを含み、自己実現の欲求に突き動かされている状態となります。
また、第5段階だけはこれまでの欲求とは質的に異なっているとされています。
マズローは最初の4欲求を「欠乏欲求」、最後の1つを「存在欲求」とまとめており、自己実現を達成できた人は数少ないとされています。


補足:自己超越
晩年、マズローは5段階の欲求階層の上に「自己超越」の段階があると発表しています。
「自己超越」は、"目的の遂行・達成のみをピュアに求める" という領域を指し、見返りを求めず、自我を忘れてただ目的のみに没頭する様を指します。マズローいわく「自己超越」の領域に達することができるのは全人類の2%程度とのことで、第6欲求の実現を目指すのは稀なケースとされています。
「目的の遂行・達成『だけ』を純粋に求める」
という領域で、見返りも求めずエゴもなく、自我を忘れてただ目的のみに没頭し、何かの課題や使命、職業や大切な仕事に貢献している状態だといいます。

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