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教師もインディペンデント・プロデューサーになる時代!

【気づき】教師もインディペンデント・プロデューサーになる時代!

色んなことが次々と重なって、新しいキャリア・ステージに入ってみようと思い立ちました。まさか、自分がベストセラー『LIFE SHIFT』で提唱された新しい人生ステージを地で行くことになるとは・・・。それは、インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)というキャリア・ステージのことです。

構想している事業の内容(WHAT)は、次のこと。

「既存の教育機関に馴染めず、行き場を失ってしまっている子ども達を対象に、自然散策、農作業、調理といった体験活動を提供するーーー」

事業モデルとしては、全く珍しくないですね。農福連携と言ってしまえば、そういうことです。でも、それは気にしません。もちろん、お金が欲しいのでもありません(公務員なので副業は無理)。ただ、自分の持つ資質と資源を最大限活かしたいだけです。

事業のWHY(背景)は、不登校とされる子ども達の急増があります。2021年度に不登校とされた小中学生の数は、前年度比で25%増。もちろん過去最多となりました。急増の原因やはりコロナ禍の影響と考えられています。しかし、注目したいのは、不登校生徒の増加はコロナ前から生じていたという事実です。子どもの数は減っているのに、過去10年間、不登校の生徒数は増加し続けてきました。

つまり、コロナが落ち着けば元に戻る訳じゃないということです。コロナは既にあった社会の歪みを顕在化させたとよく言われましたが、「不登校」はその典型例です。現在の学校・家庭・社会のシステムは、そもそも構造的に不登校が生まれるようになっていると考えた方がいいでしょう。

では、どうするか。大きく二つの方向性があるでしょう。

①不登校が生じないように学校を作り替える。
②既存の学校とは異なる教育空間を創る。

どちらも取り組むべき価値があると思いますが、僕は②にチャレンジしてみようと着想しました。

もう少しWHYについて掘り下げると、次のような「要素」が頭にありました。

  • 自分は教師としての現場経験があるとともに、実家が農家で自宅に畑がある。さらに付近は豊かな自然が広がっている。

  • 教員の働き方改革の一環で、休日の部活動に参加しなくて済むようになる。土日を社会的活動に使えるようになる。

  • 妻は管理栄養士の資格を持つ。教育現場での勤務経験もある。彼女と協力すれば料理に関する知識・スキルも有効活用できる。

  • 個人的な趣味として、アウトドア活動に興味があり、自然の中で遊ぶことや共同で行う農作業が、教育的価値を持つことを実感している。

こうした気づきを得られたのは、一年間の育休を取得したことで、自分のキャリアについて内省する時間が確保できたことが大きかったです(男性の育休、大事!)。

これほど、「実験」と「変身」に適したタイミングはないかも知れません。そう思えるほど、たくさんの要素がインディペンデント・プロデューサーという新ステージへの移行を後押ししています。

ただ、誤解を招かぬように書くと、教師を辞める訳ではなりません。インディペンデント・プロデューサーは、起業家とは異なります。永続的なビジネス・モデルを作ろうといった魂胆はありません。あくまでも本業を軸にしながら、実験を行います。儲けることが目的ではなく、自律的に活動すること自体を目的にします。

そういう意味では、僕はリンダ・グラットンらが提唱した、もう一つの新ステージ「ポートフォリオ・ワーカー」にもなる訳ですね。同時期に、異なる仕事を掛け持ちする働き方です。

事業のHOWは、まだまだこれから。インディペンデント・プロデューサーは、「主として直感に導かれて思考錯誤を重ねる。素早く思考錯誤を繰り返すことにより絶えずフィードバックを得て、プロジェクトを成功させる方法を見出していく」(「LIFE SHIFT」より)ので。

うまくいくかどうか、将来のことは、あまり深く考えていません。深く考えると、行動すべきタイミングで行動できません。ただ、今回の挑戦で、もっと先の未来(60代、70代〜)に活かせる無形資産(人的ネットワーク、事業運営のノウハウ等)が蓄積されるといいなと期待します。

「LIFE SHIFT」を20代で読んだ時は、教師である自分のキャリアにはあまり関係ないな、と感じました。公務員である教師生活がマルチステージ化するというイメージが持てなかったのです。

しかし、今の状況においては「教師も新しいキャリア・ステージを生きることができる!(そうすべき!)」と考えが変わりました。今の硬直的な教育システムを変えるには、内側からだけじゃなく、辺縁からもアプローチした方がいいと思うのです。

VUCA&長寿化時代のキャリア形成のキーワードは「実験」と「変身」。長い人生を満足しきって終えられるように、教師(公務員)もインディペンデント・プロデューサーやポートフォリオ・ワーカーのステージを検討していい時代かも知れません。

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