見出し画像

教師の技|振り返りを、振り返る

教師にとって、日々を振り返ることはとっても大事。教師に求められる数多くの技術は、ほとんど人から教えてもらえないからです。

そうとなれば、日々の授業や生徒支援を振り返り、自ら「うまくいくパターン」を抽出することが必要不可欠になります。この作業をすることで、同様の文脈でより高いパフォーマンスを発揮できるようになるわけです。

この投稿でテーマにしたいのは、ここから一歩踏み込んで「振り返りを、振り返ること」です。私たちは往々にして、日記は書いていても、それを見直すことは疎かにしがちではないでしょうか?しかし、振り返りが「その場限りのもの」になってしまって、日々に活かされないのであれば、意味がありません。

そこで、「振り返りを、振り返る」という技についてご紹介します。

振り返りを、振り返るとは?

まずは、定義をしましょう。ひとまず「経験をもとに書き出した気づきを、もう一度見返し、習慣化を図ること」と考えます。習慣化を目的にする点がポイントです。

これによって、私たちは一つの体験(感動)を、もう一度味わうことができます。「そうそう、これが大事だと思ったんだよね!」となれば、その「気づき」をより深く内面し、習慣化しやすくなるはずです。

例えば、私は、ちょうど1年前の日記を見返すようにしています。昨年の5月7日の日記には次のようにありました。

デザインに関する本を読んで。デザインのルール。レイアウトの5つのルールは余白、強弱、グループ化、揃える、繰り返す。ユニバーサルデザインの視点はすべての教師が持っていたい!

当然、1年前の体験など忘れています。しかし、こうして読み返すと(他人には無理ですが)、その時の自分がどう感じたかを思い出すことができ、「そうそう!」となります。

振り返りを、振り返る 2つの方法 

そうは言っても、私たちは日々の忙しさに流されて、立ち止まることが容易ではありません。結果的に、せっかくの気づきを、ものにできないことが多い。これは勿体ないことです。どうすれば良いでしょうか。

ここで伝えたいのは、「耳」で振り返る方法です。つまり、音声を使用するのです。これは何が良いかというと、「目で見る」よりも圧倒的に気軽だということです。具体的に2つのアイデアをご紹介します。


一つは、日記をアプリでつけて、スマホの音声読み上げ機能で振り返るというもの。日記アプリは、異なる端末で同期できるものが良いです。僕の場合、iPadで日記を書き、iPhoneに同期して、それを AirPodsで再生しています。音声読み上げ機能は、スマホにデフォルトで入っています。


もう一つは、週に一度(或いは隔週で)、日々の気づきをリストアップし、それをスマホのボイスレコーダーで録音。隙間時間などに聴くというものです。これは一手間かかってしまいますが、この一手間が習慣化を力強く促しますし、一度録音してしまえば、何度も耳からインプットすることができます。

この方法のポイントは繰り返しになりますが、「耳」の気軽さです。耳からのインプットは、移動しながらできます。例えば、通勤時やお散歩の時です。ワイヤレスイヤホンを使えば、洗濯物を畳んだり、食器を洗ったりしながらでも余裕でインプットできます。

私たちが移動したり、手作業をしている時、目からの情報インプットは不可能です。一方で、耳は空いているのです。「どうせなら」という気がしませんか?振り返りを「見返す」のが面倒だと感じる方は、ぜひ試してみてください。ちなみに、散歩やジョギングしながら、「振り返りを、振り返る」習慣を持つと、心身が健康にもなって一石二鳥ですよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?