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This is startup - 猫型ロボットになりたい -

「猫型ロボット」

と言えば、日本人なら誰もが思い浮かべるアイツ。

今日は、あの青い機体とスタートアップの話。

それは、「スタートアップで知財を担っているうちに、猫型ロボットになりたいと思うようになった」という話。

弊ブログの振り返り

スタートアップで知財家がハマるポジション

以前、サッカーにたとえてこんな話をした。

フィールドには味方プレイヤは8人しかいない。キーパーは素人でグローブを持っていない。スコアボードを見ると、キックオフ前から3点ビハインドだ。残念ながら後半はないかもしれない。相手(市場)は、スタートアップだからと言って手を抜いてくれるわけじゃない。もちろん、命題は勝利、負ければチームは解散だ。

こういう状況でピッチに立ったときに、知財家はどうプレイすべきだろうか?

キーワードは、次の3つ。

・ゲームメイカー
・ボールボーイ
・バランサー

弊ブログ「This is startup - スタートアップで知財家がハマるポジション -」

一言で言えば、ピッチの中央に立って、ありとあらゆる局面に顔を出す「generalist」であろう、ということだ。

SpecialistとGeneralist

落合陽一さん(以下「落合さん」)からGeneralistの方が良いと言われて腑に落ちた話もした。

「SpecialistとGeneralistはどちらが社会的に価値が高いと思いますか?」

落合さんは即答で「Generalistに決まっている」と回答した。

その心は、「Specialistは目的達成によって役割を終えるが、Generalistは常に役割が残り続ける」だ。

こうも添えた。

「低レベルなGeneralistは使い物にならないから、高レベルなGeneralistでなければならない」。

「Specialist or Generalistの対立構造ではなく、やるべきと感じたものを全て拾い、Specialに捌く」。

こうやって整理してみると当たり前だが、「思い悩むようなことではなかった」と気付かされた。

SpecialなGeneralistになればいい。
目指すべきは「Specialist」でもない、「Generalist」でもない、「知財のパーフェクトオールラウンダー」。

魔法使いのメンティ「SpecialistとGeneralist」

猫型ロボット

最近、異業種の方と積極的にリアルコンタクトするようにしている。
てっとり早いところとして、法務人材(弁護士)の方とのお話はかなり増えてきた。

その中で、「猫型ロボット」の話になった。

そう、誰もが知るアイツだ。

猫型ロボット(イメージ)
出典:「シルエットクイズ「〇〇モン」を当てろ!」

猫型ロボットの仕様

ここで、猫型ロボットの仕様を特許クレーム風に表現してみよう。

胴体を備え、
 前記胴体は、四次元ポケットを備え、
  前記四次元ポケットは、複数のひみつ道具を備え、
前記胴体に接続された頭部を備え、
 前記頭部は、目と、鼻と、口と、耳と、を備え、
前記胴体に接続された一対の腕を備え、 前記胴体に接続された一対の脚を備え、
  相方のヘルプコールに応じて前記四次元ポケットの前記複数の秘密の道具から一つの秘密道具を選択的に取り出す制御手段を備える、
猫型ロボット。

猫型ロボットの特徴

猫型ロボットの特徴は何か?

それはひとえに「相方のヘルプコールに応じて前記四次元ポケットから秘密の道具を取り出す」ところだろう。

あんな夢もこんな夢も叶えてしまう。

それがアイツの特徴だ。

猫型ロボットへの憧れ

慌ただしい毎日を過ごしていると、ときとして、アニメの世界のヒーローを思い返すときがある。

少年時代に見ていたアイツもその1人だ。

「こんなときアイツがいたらな」

そう思ったことがある人は少なくないだろう。

最近、いろんな人と「知財人材の在り方」について話す機会が増えた(意図的に増やしている)。

上記の2点「スタートアップで知財家がハマるポジション -」&「SpecialistとGeneralist」の話も毎回している。

「法務」や「知財」という職域の垣根を超えたレイヤ(視座)で現代を捉えている方とは、本業の内容や経歴が違えど毎回共感が得られる話だ。

「猫型ロボットになりたい」

先日、名古屋で大企業知財部門向けのセミナーでも話した話。
上場企業の法務責任者の方からも賛同して頂いた話。

ふと、「アイツがいたらいいな」じゃなくて「猫型ロボットになりたい」(自分がそうなろう)と言っていることに気づいた。

自分がアイツの背中を追いかけているんだ。

猫型ロボットのレゾンデートル

猫型ロボットの特徴は、上記のとおり「相方のヘルプコールに応じて前記四次元ポケットから秘密の道具を取り出す」点にある。

この特徴を要素分解すると、次のとおりだ。

  1. (頼りがいがある)相方のヘルプコールを受け取ること。

  2. (多能である)四次元ポケットに多種多様な秘密の道具が入っていること。

  3. (芯を捉えている)ヘルプコールに応じたヒミツの道具を選択すること。

(頼りがいがある)相方のヘルプコールを受け取ること。
これは口で言うほど簡単ではない。
常にそこにいて、常に助けてもらいたいと思わせて、そして、常に「助ける」(ヘルプアクション)を実行している必要がある。

(多能である)四次元ポケットに多種多様な秘密の道具が入っていること。
「秘密の道具」は、いわゆる属人的知識(ノウハウや経験)のことだ。
これは「広義の知財」と言うこともできる。
それが、多種多様である必要がある。

例えば、「◯ケコプター」しか出せないアイツに人々は憧れの念を抱くだろうか。

(芯を捉えている)ヘルプコールに応じたヒミツの道具を選択すること。
ヘルプコールが上がるときには、その裏に「解決したい課題」が存在する。
その「課題」を瞬時に捉え、多種多様な秘密道具の中から最適な道具を選択する。

これは、ニーズに刺さるプロダクトを作ることでもあるし、他者に価値提供する行為(いわゆるビジネス)の本質だろう。

これら全ての要素を満たした特徴を持っていなければ、猫型ロボットがあーも憧れの存在にはなっていないはずだ。

猫型ロボットになるということ

こんなこといいな できたらいいな
あんなゆめ こんなゆめ いっぱいあるけど

「ドラえもんのうた」作詞:楠部工

スタートアップにいると、いろんなボールが飛んでくる。
ボールを投げる人は「できるかどうか」なんて考えていない(そんな暇もノウハウもないからだ)。

スタートアップにいると、いろんな人からボールが飛んでくる。
ちゃんと宿題をやって、ママの言うことをしっかり聞くような優等生からも飛んでくる。

スタートアップにいると、いろんな景色が見える。
ミクロのような世界で見ることもできるし、空を自由に飛んで組織を俯瞰的に見ることもできるし、過去や未来にタイムスリップして想像をふくらませることもできる。

そんな時間も視座も自由に往来できるポジションが知財だ。
そうであれば、「日本人として猫型ロボットになりたい」と思うことも自然なことだろう。

そうか今気づいた。
アイツ、パーフェクトオールラウンダーだ。


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